39:名無しNIPPER[sage]
2017/06/18(日) 00:04:08.12 ID:SQs9dOeVO
帰ってこないのはPじゃなくて作者ってオチだったか……
40: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/22(木) 20:39:24.72 ID:5fJjkWjP0
夕方。
ピンポーン!
41: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/22(木) 21:10:24.51 ID:5fJjkWjP0
二人はまだ765プロでアイドルを続けているので、もちろんPが出張に行ってる事は知ってる。大方アタシの事を心配して、二人で予定を調整して会いに来てくれたんだろうな。アタシは申し訳ないと思うと共に、情けない自分に恥じ入った。
取り敢えずお茶を二人に出して、三人でテーブルに着く。アタシはしばらく黙り込んでたけど、琴葉に促されてぽつりぽつりと今日までの事を話し始めた。
42: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/22(木) 21:12:47.22 ID:5fJjkWjP0
「だったら、信じて待ってあげないとだめ」
「…!」
琴葉はそう言うと、アタシの手を握った。琴葉の言葉にハッとしたアタシは俯いていた顔を上げ、琴葉の顔を見つめた。そこには、アタシを包みこ込むような琴葉の温かい笑顔があった。
43: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/22(木) 21:16:25.99 ID:5fJjkWjP0
アタシが、Pの帰る場所。
「結婚したらその瞬間から、帰る場所は『家』から『家族』になるの。私はそう思う」
44: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/22(木) 21:18:26.22 ID:5fJjkWjP0
一旦ここまで、続きは深夜に投下します。
45:名無しNIPPER[sage]
2017/06/22(木) 22:17:09.58 ID:DRvYc9ys0
乙 待ってた
46: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:09:52.60 ID:nE0G2m1V0
「…っく…ふうぅっ…」
コールはもう十五回目。スピーカーにしてるスマホのコール音がアタシ達三人を煽り、二人も不安の色が隠せなくなってくる。アタシなんて、どんどん涙がせり上がってくる。
二人はそれを振り払うべく、それぞれアタシの片手を握ってくれた。多分、Pは大丈夫だっていう自己暗示も兼ねてるんだと思う。
47: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:11:33.47 ID:nE0G2m1V0
「ぇぐ…P…あの、ねっ…」
琴葉とエレナに背中を擦られながら、少しずつ言葉を絞り出していく。
『ちょっ、落ち着けって!大丈夫か!?ゆっくりでいいから話してくれ。ほら、深呼吸して』
48: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:14:30.76 ID:nE0G2m1V0
『えっ!?いやいや、俺は恵美に『アタシに甘えるな!』って言われてるものとばかり…』
「はぁ…?」
今のアタシにはPの言ってる言葉の意味がわからなくて、頭が一瞬活動停止した。ただそれだけなのに、電話越しなせいかPはアタシが怒ってると思ったらしく、言い訳をまくし立てるように早口で話し始めた。
49: ◆T4kibqjt.s[saga]
2017/06/23(金) 01:17:05.17 ID:nE0G2m1V0
『………で、あの後不安になって『夫 出張中』とかで検索してみたら、その…居ない方が楽だ、とか…俺にとってネガティブな事ばっかり色々書いてあったし、恵美ももしかしたらそうなのかなって。恵美は優しいから我慢してくれるんだろうけど、負担になるくらいだったら寂しさくらい我慢しなきゃと思ってな。俺が甘えてばっかりじゃ、やっぱ夫婦としてダメだから』
……………………っ!!
アタシは色んな気持ちがはち切れそうで、声すら出せなかった。Pの声が聞けた事への安堵、超絶大バカなPへの怒り、そして分かってくれない悲しみ、そして相手を分かってないのはアタシも同じなのに、自分勝手に怒るわがままな自分への激しい嫌悪感。どの感情で涙を流してるのか、自分でも分からなかった。それほどその一つ一つが大きい物だったから。
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