モバP「いや〜楽しいっすね楓さん!あ、俺んち来ます?是非!」楓「……」
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◆3UO.XRpYJ2
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2017/06/02(金) 13:41:22.09 ID:aKaeZq+60
酒は飲んでも飲まれるな、とはよく言ったものだ。
今日の俺に関しては進んで飲まれにいった感は否めない。良い所を見せようとハイペースで飲み続けて、いつもほろ酔いで済ませているラインを大きく飛び越してしまったようだった。
因果応報? いや、この場合は自業自得の方が正しいのか。
結果として、酔いがさめてからは滝のように出てきた汗をひたすらぬぐう作業を続ける羽目になっている。
「へえ、ここがプロデューサーのお部屋なんですね」
授業前、宿題を家に忘れてきたことに気が付いた少年のような、そんな苦々しい表情をしている俺とは対照的に、彼女は興味津々といった感じに目線を四方にばら撒いていた。
「やっぱり帰りましょう、楓さん」
えー、と彼女――高垣楓さんから声が上がる。こちらを振り向いた彼女の頬は少し紅潮していたが、その表情は実に楽しげで、ふらついていたり、目が据わっていたりということもなくて。つまり、そんなに酔っぱらってないのだろう。
まあ、なんていうか。
俺の期待が間違っていなければ、自覚をもって俺に誘われたんであって。
正直、その点はたまらないのであった。
「折角来たのに?」
「いやあのですね、折角とかそういう問題ではないというか、なんというかですね……」
「他でもない、プロデューサーがここに連れてきたのに?」
「……」
「プロデューサーが来るかって言ったから来たのに、私、帰らされちゃうんでしょうか?」
うまい返しが思い浮かばず閉口する。それと同時に、理性を飛ばして下心を丸出しにしていた少し前の自分をぶん殴ってやりたくなった。
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:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:42:29.66 ID:aKaeZq+60
「あのですね、楓さん」
「なんでしょう?」
以下略
AAS
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:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:43:41.38 ID:aKaeZq+60
――――――――――――――
『何をヘタレてるんだ?』
以下略
AAS
4
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:44:31.90 ID:aKaeZq+60
飲まれたのは、酒ではなく彼女にではないだろうか。
以下略
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5
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:46:20.05 ID:aKaeZq+60
「どうしたんですか?」
そうこうしているうちに、楓さんはシャワーから上がっていたらしい。声のした方向に目を向けると、彼女は部屋の入り口で不思議そうにこっちを見ていた。
以下略
AAS
6
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:46:55.35 ID:aKaeZq+60
―――――――――――――――
馬鹿げた話だが、シャワーをあびるのも一苦労だった。要因はいくつか挙げられる。
以下略
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7
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:48:10.89 ID:aKaeZq+60
「随分と長かったですね」
俺の葛藤などいざ知らず、楓さんはそう言って風呂上がりの俺を出迎えた。
以下略
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8
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:49:00.92 ID:aKaeZq+60
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ベッド論争――俺がカーペットで寝て楓さんがベッドで寝るVS一緒に布団で寝る――は、楓さんの勝利で幕を閉じたことは言うまでもないだろう。論争はシーソーゲームの様相を呈し、アイドルとプロデューサーとしての一般常識をかざす俺にも勝機はあったはずだったのだが、
以下略
AAS
9
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:49:47.00 ID:aKaeZq+60
ふー。楓さんが俺の首に息を吹きかける。今更ながらにドキドキとしてきた心臓の鼓動。反応しそうになる身体を必死で押しとどめた。
以下略
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10
:
◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:51:22.40 ID:aKaeZq+60
それがどんな意味を持つ言葉だったのか、これまでの人生でお世辞にも女性経験が多いとは言えない俺でも何となく察することができる。楓さんには悪いことをしたかもしれない。だがしかし、楓さんに悪いことをしなかったら世間的に悪いことをしたわけで。自分がまいた種とはいえ、あまりにも逃げ場のない選択肢だ。
だからこそ、というか。だから、これでよかったのかもしれない。
以下略
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