モバP「いや〜楽しいっすね楓さん!あ、俺んち来ます?是非!」楓「……」
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9: ◆3UO.XRpYJ2[saga ]
2017/06/02(金) 13:49:47.00 ID:aKaeZq+60

ふー。楓さんが俺の首に息を吹きかける。今更ながらにドキドキとしてきた心臓の鼓動。反応しそうになる身体を必死で押しとどめた。



反応したら負けだ。絶対にスルーするーのだ。



……我ながら驚くほどのギャグセンスのなさだった。日がな一日中寒いおやじギャグを連発する楓さんだって、もう少しましな――

「私の事、スルーするーんですか?」

忘れていた。彼女も大概だった。

楓さんは、息を吹きかけてみたり、俺の背中を触ってみたり、もう一度息を吹きかけてみたりと、俺が寝ているのを随分と疑っていたようだったが、それらに全くリアクションを起こさない俺をみてようやく諦めたようだった。

布団と布のすり合う音が聞こえる。少し遠くなった呼吸音から察するに、どうやら元の位置に戻ったようだ。

「ヘタレ」

小さな声で、そう言ったのが聞こえた。



それからどれほど時間が経ったのかはわからないが、楓さんの呼吸が寝息に変わったのがなんとなくわかった。

勝った。勝負していたわけでもないのにそんな言葉が頭に浮かぶ。ゆっくりと布団から抜け出して、カーペットにあおむけに寝そべってようやく一つため息をつく。

ヘタレ、か。



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