モバP「いや〜楽しいっすね楓さん!あ、俺んち来ます?是非!」楓「……」
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◆3UO.XRpYJ2
[saga ]
2017/06/02(金) 13:48:10.89 ID:aKaeZq+60
「随分と長かったですね」
俺の葛藤などいざ知らず、楓さんはそう言って風呂上がりの俺を出迎えた。
「ええ、まあ」
楓さんを見る。よかった、湯上りマジックは解けているみたいだ。楓さんはよく見なくても綺麗だったが、俺のシャツはよく見ればいつものダサいシャツだった。それはそれで少し傷つくが。
「じゃあ、明日も仕事があるし寝ましょうか」
ドライヤーで髪の毛の水分を雑に飛ばしてから、矢継ぎ早にそう提案する。意思が変わらないうちに、というか、俺の理性が保たれているうちに早く眠ってしまいたい。
「焦らなくても、夜はまだ長いですよ?」
「長いからこそ寝たいんですよ俺は」
「残念です」
さして残念そうでもなく彼女は言った。
「折角、マジックミラー号についてお話を聞きたかったんですけど、本当に残念です」
「部屋漁ったんですか!?」
今日一番の声が出た。シャワーで流したはずの冷や汗がまたしても体中からふきだしてくる。
「見るつもりはなかったんですけど、たまたま目に入ってしまって」
「いやあの、たまたま目に入るようなところには置いてなかったんですが……」
どう考えても見るつもりだった。
「プロデューサー、ああいうのお好きなんですね」
生暖かい目で見られる。俺が悪いわけじゃないのにめちゃめちゃいたたまれない。あと、普通に恥ずかしい。
「マジックミラーで、素人に、どうしろーと言うんでしょう?」
「ハハァ……」
もう笑うしかなかった。
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