モバP「いや〜楽しいっすね楓さん!あ、俺んち来ます?是非!」楓「……」
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6: ◆3UO.XRpYJ2[saga ]
2017/06/02(金) 13:46:55.35 ID:aKaeZq+60

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馬鹿げた話だが、シャワーをあびるのも一苦労だった。要因はいくつか挙げられる。

まず第一、これが一番の問題だったのだが、非常にいい匂いがした。女性というのは男と違って何かいい匂いを出す器官がついているんじゃなかろうか。いや、きっとついているのだろう。

鼻呼吸をして、やっぱり楓さんに悪いような気がして口呼吸をして、いやいや意識する方が何かうしろめたい感じがしてもう一度鼻呼吸をする。その繰り返し。我ながら阿呆な悪循環に陥ったものだ。

そして第二、これは自分の変態性がなんとなく垣間見えて認めたくはなかったが、楓さんが使ったあかすりを俺も使うかどうか、かなり迷って悶々としたのだ。

滴る水滴。端っこをちょいとつまんでみるとまだ温かい。

世の中にあかすりに興奮する男などどこにいるというのだろう。

「どうしよう……」

そうつぶやいても当然、誰も助けてくれる人などいない。もう一度あかすりの端をつまんでみる。悪いことをしているわけではないのに、なんとなくキョロキョロとあたりを見まわしてしまう。前に向き直ると、鏡越しにあかすりをつまんで息を荒くしている変態と目が合った。まぎれもなく俺自身だ。

死にたくなった。

「俺、やっぱ楓さんのこと好きなのかな……」

酔うと適当な事でも口に出してしまう。今回もきっとその類だろう。そうに違いない。

『いや、好きなんだろ』

呆れたような心の声。「うるせえ」と言うことはできなかった。




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