199:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:04:25.08 ID:ANVQ24Nk0
いつのまにか鳴きやんだひぐらしの声。おかげでこの部屋はしんとして、私と大井さんの少しだけ荒い息遣いだけが響く。
大井「提督、次は、私になにをしてくれるんですか?」
200:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:06:00.24 ID:ANVQ24Nk0
薬指の付け根を隠す銀色。私が執務室で珍しくうたた寝をしている大井さんからこっそり採寸して、注文した、指輪。結婚指輪。
それを大井さんはゆっくり目線より上に持っていくと、じっと見つめ、微笑んだ。そして口もとに運び指輪キスをした。
201:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:06:38.56 ID:ANVQ24Nk0
それにしても考えることは同じなんですね。大井さんはそう呟くと私を抱きしめる。私も大井さんを抱きしめ返すと、考えることが同じとは何か。そう思いつく。
提督「何が同じなの」
202:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:35:00.09 ID:ANVQ24Nk0
提督「で、何これ」
私が手にしている通称艦隊新聞。鎮守府のあれこれを勝手に纏めた新聞雑誌だ。作成者は考えなくともわかるはず。その新聞の見出しに大きくこう書かれている。提督、結婚式までキスはしないと発表。
203:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:35:25.88 ID:ANVQ24Nk0
球磨「提督ー!生きてるかクマー?」
勢いよく扉が開け放たれ球磨さんが入場した。
204:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:36:08.10 ID:ANVQ24Nk0
鳳翔さんが持っていたのは大きいイチゴのワンホールケーキだった。珍しい、同じイチゴならイチゴ大福とかだと思ったのに。
大井「私飲み物準備しますね」
205:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:36:57.91 ID:ANVQ24Nk0
びしっと手を挙げたのは足柄さんだった。
足柄「はぁい!!乾杯の音頭は、ぜひこの私めに!!!」
206:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:37:29.57 ID:ANVQ24Nk0
夕立「ようしきび?何か結婚式の日にちみたいでおもしろっいっぽい!」
球磨「そうだクマ。そういえば提督、お前まだ式あげてなかったクマねぇ」
207:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:38:01.93 ID:ANVQ24Nk0
私の左手に手が添えられた。ひやりとした、心地よい大井さんの手だ。
私は大井さんの方へ向く。一瞬、大井さんの服装が純白のドレスに変わったけど、それはすぐに消えていつもより真剣な大井さんがいた。
208:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:38:57.51 ID:ANVQ24Nk0
普段無駄なところでしか役に立たなかった青葉さんの写真が、今ではうちの家宝になっている。
漫画だったら目がぐるぐるしてそうな表情をした大井さんと、私が丁度目を瞑っている写真。
209:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:40:03.08 ID:ANVQ24Nk0
苦難や諦める時はいずれやってくる。
そういう時は一人じゃ太刀打ちできないけど、周りにいる強いみんなが必ず助けてくれる。
215Res/148.01 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20