200:名無しNIPPER[sage saga]
2017/10/21(土) 20:06:00.24 ID:ANVQ24Nk0
薬指の付け根を隠す銀色。私が執務室で珍しくうたた寝をしている大井さんからこっそり採寸して、注文した、指輪。結婚指輪。
それを大井さんはゆっくり目線より上に持っていくと、じっと見つめ、微笑んだ。そして口もとに運び指輪キスをした。
大井「じゃあ今度は私から」
デスクの引き出しを開けた音がした。今度は提督が目を瞑ってください。そう大井さんに促され私は瞳を閉じた。
大井さんの腕が首に回される。一瞬期待したけどそれは覆され、首元に冷たい、金属の温度が伝わる。そして金具が閉じる音がした。
提督「もう大丈夫?」
大井「ええ、いいですよ」
目を開け、首元に付けられた何かを手に取る。アルミワイヤーが巻きつけられた透明な一つの丸い物。どこか見覚えがあるそれはネックレスに変わっていた。これは。
提督「私が拾ったシーグラスのビー玉」
大井「そうですよ。こういう時、指輪で返すのが一番ですけど、用意してないですし、元々渡そうと思っていたこれをお返しにします」
提督「これ北上さんに渡すんじゃないの?」
私はてっきり北上さんにプレゼントすると思っていた。
大井「なに言ってるんですか。ずっと、最初からこれは提督の物じゃないですか」
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