108:名無しNIPPER[saga]
2017/05/22(月) 00:32:54.28 ID:c4JYKnfD0
私はそんな大井さんの本心を無下にしようとしている。
気持ちは一緒なのに。本当は舞い上がってしまうほど嬉しいのに。秘密にした過去に蝕まれ、気持ちに応える資格がないと思っている。
109:名無しNIPPER[sage saga]
2017/05/22(月) 00:34:53.24 ID:c4JYKnfD0
中々時間がとれないので、中々進みませんですみません。書いてて楽しくなってきたので、思っていたよりも長くなりそうです。また頑張ります。
110:名無しNIPPER[sage]
2017/05/24(水) 22:54:53.08 ID:DbQfPPCyo
丁寧な描写はよいぞお
111:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:25:28.19 ID:qNL29ZGy0
もう、いいです。そう言って振り返らず、そのまま歩み始めた大井さんの後ろ姿を、記憶の狭間から何度も呼び起こす。
風鈴の冷たい音色が執務室に響き渡る。透き通る音色に私は突っ伏していた机から顔を上げる。
112:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:26:31.40 ID:qNL29ZGy0
私は足を執務机に乗っけ、帽子を顔に被せる。そして腕を組む。
夏だからってだらしないですよ、と大井さんの声。風鈴なんかよりも心の奥底に響き渡る声。
113:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:27:45.56 ID:qNL29ZGy0
秘書艦も辞めてしまった。代わりに誰か来るかと思っていたけど、誰もこない。
みんな自分のことで精一杯なのだろうか。それか私に人望が無いのかもしれない。
114:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:30:15.49 ID:qNL29ZGy0
懐かしい。この万年筆は大井さんの誕生日にプレゼントしたものだからだ。
7月15日。丁度今みたいにむしむしと熱苦しい夏の日に贈った万年筆は元は白と黒のセットだった。
115:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:31:42.91 ID:qNL29ZGy0
冷ややかな視線を私に向け、なんで私の刻印はOiだけなんですか。提督だけ名前が長くてずるいです。と言った。
大井さんにしては珍しく駄々をこねる姿に私は腹を抱えて笑い、ならOi sanがよかったのと返したのだ。
116:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:33:41.94 ID:qNL29ZGy0
来月分の資材申請書だ。1ヶ月毎にグラフ化されたそれぞれの資材の消費量を見ると、不自然に右肩上がりだ。
経験上、この鎮守府では戦艦に正規空母の艦娘はいないため、消費される資材は少ないはず。
117:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:34:45.80 ID:qNL29ZGy0
提督「球磨さん、扉壊れるからそれやめてって言ってるよね」
球磨「元気そうでよかったクマ」
118:名無しNIPPER[saga]
2017/06/15(木) 01:35:35.50 ID:qNL29ZGy0
球磨「大井とはうまくやってるクマか?」
なんの前触れもなく球磨さん言う。縛り付けられる様に、私の手はポッキンアイスを取ったところでぴたりと止まった。
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