316: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:31:48.53 ID:N4f4DzpF0
上を見上げると、ちょうど私たちが振ってきたのだろう四角い穴がぽっかり空いていました。天井は高く、穴からここまでも10メートルはありそう。我ながらよく助かったものです。
天井にはクレーンが設置されており、壁にもいくつか大きな穴が開いています。おそらく製造された茶葉をここに運び込み、あのカフェをはじめとした各施設に分配、配送を行っていたのでしょう。
「さて……、どうやってここから出ましょうか」
317: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:33:10.39 ID:N4f4DzpF0
ザク、ザク、という音がどこからか聞こえてきました。その一定のリズムには、なんだか聞き覚えがあります。そう、これは大群が行進しているときにそっくりです。
アルパカさんも気が付いたようです。
「う〜ん、足音?」
318: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:34:26.15 ID:N4f4DzpF0
『……ガガガ、セ』
「せ?」
『セルリアンを確認。排除シマス。排除シマス』
319: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:35:18.37 ID:N4f4DzpF0
「う〜ん、セルリアンの気配はしないけどねぇ」
「たぶん故障かなにかですかね?」
「こしょー?」
320: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:37:03.00 ID:N4f4DzpF0
「トキぃ!」
「大丈夫? アルパカ」
トキさんは地面すれすれで大きく羽ばたき、抱えていたもう一人のフレンズ――姿を見るにヘラジカでしょうか?――を下ろします。
321: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:37:55.80 ID:N4f4DzpF0
オーロックスさんがわたしを指さしました。
「こいつ、誰ですか?」
「ああ! その子ねぇ、かばんさんとおんなじフレンズなんだってぇ〜!」
322: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:38:41.35 ID:N4f4DzpF0
「ん?」
みなさんがわたしを取り囲む中、ハシビロコウさんだけが遠巻きにわたしを見つめていました。いや、もうこれは睨んでいました。
「ええと……」
323: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:39:56.30 ID:N4f4DzpF0
凍り付いた空気に脅えるようにあたりをうかがいながら、ハシビロコウさんは続けます。
「ボスは……、アルパカがセルリアンに襲われてるっていってたから。その……、アルパカと一緒にいたあなたが、もしかしたら」
「いやいやいやいや! そんなわけないじゃないですか!」
324: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:40:28.75 ID:N4f4DzpF0
わたしの全身全霊全力の抗議にも耳を貸さず、ヘラジカさんは武器を顕現させ構えました。
「ライオン! オーロックス! 一斉にかかるぞっ!」
「じゃあ私が石を狙うよ」
325: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:41:31.12 ID:N4f4DzpF0
閲覧いただきありがとうございます。しばらく書き溜めです。次回はもう少し早くあげられるように頑張ります。
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