321: ◆Wv.nqe0Jy.[saga]
2017/04/22(土) 19:37:55.80 ID:N4f4DzpF0
オーロックスさんがわたしを指さしました。
「こいつ、誰ですか?」
「ああ! その子ねぇ、かばんさんとおんなじフレンズなんだってぇ〜!」
「なに!? カバンと同じフレンズなのか!?」
「へぇ〜、私とホワイトライオンみたいな感じかな?」
一同の視線がじっと私に集まります。もともと人見知りのわたしは居心地の悪さを感じながらも、調停官の仕事で身につけた一握りの社交性を発揮します。
「ど、どうも……」
無理でした。
相手が妖精さんならいざ知らず、見た目だけは普通の人間の少女と寸分変わらないのです。妖精さん相手のようにはいきません!
「じゃああんたもヒト? っていう奴なんだな! かばんみたいに不思議な事をいっぱい考えるのか?」
ヘラジカさんが目を輝かせます。
「ええと、まあ、そんなところです」
わたしはその視線から若干目をそらしつつ、曖昧に肯定しました。そもそもヒトじゃありませんし。発想も凡庸ですし……。不思議な力、取り上げられちゃってますし……。
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