670: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:43:25.01 ID:z5kRHM0CO
タバコの煙が白く上昇する様子が喫煙所の影になっているところでははっきり見えたが、白く漂う流れは光のなかに広がるとまったく見えなくなってしまった。
永井は明るい場所から眼をそらし、自分がやってきたほうへ首を向け、オグラからそっぽを向くようなかたちで言った。
671: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:44:52.41 ID:z5kRHM0CO
作戦会議に使われる休憩室のドアを開けると、そこには永井たち四人を除く全員がすでに集合していた。
部屋はそれほど広くなく、四角いテーブルが二列になって等間隔に三台並べられていて、テーブルにつき椅子がおおよそ四脚あったが、入口から見て右側の壁、戸崎が立っているほうの壁に近いテーブルには二脚と一脚しかなかった。
672: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:46:39.89 ID:z5kRHM0CO
戸崎「暗殺リストの残りは七名、敵はこのどこかに必ず現れる」
全員が資料をぱらぱらとめくっているのを確認すると、戸崎は一同を見渡して、言った。
673:名無しNIPPER
2018/10/15(月) 20:47:34.14 ID:z5kRHM0CO
戸崎「条件にあうターゲットは選んである」
戸崎は壁にピン止めしてある写真に眼を移して言った。二枚の写真は証明写真に使われるような肩から上を写した顔写真で、男性と女性のものだった。
674: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:48:46.10 ID:z5kRHM0CO
あのテロでの佐藤の真の目的はグラント製薬の壊滅ではなく、SATとの戦闘だったということ。旅客機の墜落はメッセージであり、二度繰り返す必要はないということ。
戸崎の胸中に疑惑が生まれた。SATの配備は極秘だった。だが、佐藤はそのことを知っていた。どこからか情報が漏れたのだ。警察からか、それとも亜人管理委員会からか。
675: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 20:50:12.62 ID:z5kRHM0CO
永井「どんな不備が?」
中野「こんな危ないこと女性にさせられるかよ!」
676: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:01:55.63 ID:z5kRHM0CO
オグラ「これが、両手に花ってやつだ」
まだ夏を引きずっている白く輝く太陽から降り注ぐ陽光を浴びながらオグラは言った。背後では下村のIBMが影のように左右に立ち、あやとりの紐を指に通している。
677: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:02:52.83 ID:z5kRHM0CO
言ってから、オグラは永井に視線を向けた。
オグラ「しかし、きみの場合は事情が異なる」
678: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:03:42.29 ID:z5kRHM0CO
やっとのことでオグラが口を開いたが、切断された話は全然関係ないところに繋げられた、中野は何の話だというような顔で永井を見たし、下村も困っている、永井は諦めを感じつつも口を挟まずにはいられない。
永井「要点だけ言ってくれません?」
679: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:04:48.32 ID:z5kRHM0CO
中野が口を挟んだおかげで閑話休題となり、今度はIBMを使った実戦形式の訓練となった。
IBMを発現できる永井と下村が撃ち合いをするみたいに距離をとって向き合い、同時にIBMを発現する。
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