677: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:02:52.83 ID:z5kRHM0CO
言ってから、オグラは永井に視線を向けた。
オグラ「しかし、きみの場合は事情が異なる」
永井「自走するから?」
オグラ「そうだ。しかも発現限度数は最大で九体。フラッド現象にも匹敵する」
“氾濫”を意味するその現象に聞き覚えはなかった。
オグラ「異常な感情の高まりと復活が重なったとき、“ごくごく稀”に起こる現象だ。このふたつが重なり相乗効果を生み、特別な精神状態に到達することがある。そのとき、文字通り“氾濫”するんだ」
永井「氾濫って、IBMがですか?」
オグラは永井に応えず、タバコを咥えるとゆっくり味わってから煙を吐き出した。光と煙がいっしょになるまでオグラは何も言わなかったから、永井には時間がひどく緩慢に過ぎているように思えた。
オグラ「あるオランダ人金メダリストの話をしよう」
968Res/1014.51 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20