679: ◆8zklXZsAwY[saga]
2018/10/15(月) 21:04:48.32 ID:z5kRHM0CO
中野が口を挟んだおかげで閑話休題となり、今度はIBMを使った実戦形式の訓練となった。
IBMを発現できる永井と下村が撃ち合いをするみたいに距離をとって向き合い、同時にIBMを発現する。
永井のIBMは生まれ持った敵意と凶暴性を全身にみなぎらせ下村へ突進していった。待ち構えていた下村のIBMが鋭い手刀を瓜を叩き割る鉈の一撃のように頭部に叩き込んだ。
頭を失ったIBMは膝をストンと地面に落としたが、それでもまだ最期のあがきを残しているような気がしてその身体が完全に消失するまで下村は気が抜けなかった。
永井のほうは、まったくもって衝動的な自分の分身に嫌気がさしていた。分身であるだけに、中野の頭の悪さとはまた違った憎々しさを感じている。
もっと狡猾であればいいのに、と永井は思った。ジャック・ロンドンの小説に出てくる狼と犬との私生児、悪魔のような合いの子みたいに。
オグラ「IBMを消失させる手段はふたつある。収束を待つか、頭部へのIBMによる打撃だ」
草の上にタバコの灰を落としながらオグラが言った。
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