京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
↓
1-
覧
板
20
13
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:20:34.57 ID:B6wfBn3i0
外はかなり寒かった。
長野の12月ということで、度々降って溶け残っては新しく前より高く積もった雪が敷き詰められていた、
異様に濃い灰色の空模様からしても、今夜あたりにもう一度降るだろう。
携帯を取り出して時間表示を見る。時刻は午後5時前。今日もみんなに付き合って帰れるのは8時を過ぎるだろうから、もしかしたら帰りの時間帯にはもう降り始めているかもしれない。
そう思うと、胸の中の重しが、さらに心にのしかかってくる気がした。
以下略
AAS
14
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:21:15.92 ID:B6wfBn3i0
「いやいやいや…………」
これも勉強だと、自分でも納得できるわけのない答えで不穏な考えを無理やり振り切り、アイスバーンで滑りやすくなった道を気をつけて進む。
学校の周り、というかこのあたり一帯は坂道のオンパレードだから、本当に冗談ではなく転んだらそのまま坂道を滑って行って、車が来ても避けれずに轢かれるなんてこともあり得る。
「うわぁ!」
ズザァ! と、そんなことを考えたそばから足を滑らせる。が、幸いにしてその場で尻餅をついただけだった。
以下略
AAS
15
:
名無しNIPPER
[sage]
2016/08/22(月) 21:24:17.73 ID:qZfhVOrZo
京豚いい加減にしろよ
16
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:28:22.76 ID:B6wfBn3i0
学校から一番近い雑貨店に着くだけでも、雪に足をとられて30分以上かかった。
今から学校に戻ると、きっと6時を過ぎていることだろう。
「まいどありー」
店主の声を背に、店の外に出ると、なんと目の前にはもう白い結晶がひらひらと舞っていた。
もう真っ黒になった空から、青白い雪が降ってくる。
以下略
AAS
17
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:29:51.64 ID:B6wfBn3i0
「おい、にいちゃん……」
「え、あ、あ、はいっ!?」
いきなり声をかけられ、背を伸ばして答えてしまう。
「ほら、お前の番だぜ」
「あ、は、はい」
以下略
AAS
18
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:30:41.96 ID:B6wfBn3i0
「なぜ………って、顔だな。本当にみりゃあわかるんだよ。人っていうのは輝きを放つものなんだ。その輝きは、いかに自分の魂が満たされているかで決まる。自分の心が解放されていて、いかに自由で在れるかってことだ。兄ちゃんの心は曇っちまっている。だから兄ちゃんの見た目も煙っちまっているのさ」
「俺の、心…………」
「こんなご時世だ。兄ちゃんくらいの年なら、お受験だの将来何がしたいだので悩むころだろうよ。自分が何をしたいのかもわからず、ただ周囲に理由もなく急かされる。だが…………そんな中でも、兄ちゃんの煙り方は異常だった。まるで、自分がどこにいるのかもわからず、しかもどこで何をするべきなのかもわかっていないんじゃないのかってくらいにな」
「どこで……何を………」
「自慢じゃないが、俺はそういうことからは一番縁遠い場所で生きてきたと思っている。自分が何をしたいのか、わからなくなったことなんて一度もない。やりたいことが増えたことはあれども、なくなったことはない。世間一般に胸を張れない人生だったが、それでも、俺は俺に胸を張れる。俺はこれだけ自分の望むままに生きたぜっ………てな。兄ちゃん…………お前、今の日々を、自分に胸張って自慢できるか?」
以下略
AAS
19
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:32:12.14 ID:B6wfBn3i0
学校に戻れたのは、6時すぎどころか、7時前だった。
雪は冗談抜きに強くなってきていて、傘が無いと辛いほどだった。
下駄箱のあたりで服に着いた雪と水滴を落として、誰もいなくなった真っ暗な旧校舎の中を進んで、部室へと急ぐ。
「………………?」
するとおかしなことに気が付いた。
以下略
AAS
20
:
名無しNIPPER
2016/08/22(月) 21:34:14.03 ID:pPOToaoxO
つまんね
21
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:34:21.23 ID:B6wfBn3i0
「……………」
俺は無言のまま、咲にメールを送った
『大丈夫、ここまで来たら傘あってもなくても変わらねーよ。自力で帰れる。
店であったかい飲み物買っといて正解だったわ。明日風邪ひいても怒らないでくれよ(笑)』
以下略
AAS
22
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:36:10.37 ID:B6wfBn3i0
次の日の朝
「うぐ…………」
朝起きたら、時計の針は8時を回りかけていた。
大急ぎでパンだけ加えて急いで学校まで走ってきて、ぎりっぎり間に合った。
が、朝起きていきなり走りながらパンを食べたことで、内臓が悲鳴を上げていた。
以下略
AAS
23
:
スレ主
◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:36:47.11 ID:B6wfBn3i0
「な、なに?」
「京ちゃん………ちゃんと寝てる? くま、すごいよ?」
「え? あー………実はちょっと夜更かしした」
いかん、疲れがとうとう顔にも出始めたか。
「京ちゃん………最近あんまり麻雀打ってないよね。特に、こないだ和ちゃんに、国士で逆転されてから………。やっぱり、その………」
以下略
AAS
660Res/374.36 KB
↑[8]
前[4]
次[6]
書[5]
板[3]
1-[1]
l20
京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」-SS速報VIP http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1471867742/
VIPサービス増築中!
携帯うpろだ
|
隙間うpろだ
Powered By
VIPservice