京太郎「俺はもう逃げない」 赤木「見失うなよ、自分を」
1- 20
19:スレ主 ◆EvBfxcIQ32
2016/08/22(月) 21:32:12.14 ID:B6wfBn3i0
学校に戻れたのは、6時すぎどころか、7時前だった。
 雪は冗談抜きに強くなってきていて、傘が無いと辛いほどだった。
 下駄箱のあたりで服に着いた雪と水滴を落として、誰もいなくなった真っ暗な旧校舎の中を進んで、部室へと急ぐ。
「………………?」
 するとおかしなことに気が付いた。
 いつもならこの時間帯でも、麻雀部のドアの隙間からは光が漏れているはずだ。
 しかし、部室前の廊下まで来ても、どこにも光源がない。
 非常口を指し示すぼやけた緑の蛍光灯と、ポケットから取り出した携帯の明かりを頼りに進む。
 するとやはり部室のドアの隙間からは光は漏れておらず、それどころかドアが閉じられていた。
 何かおかしいと、みんなの名前を呼びながらドアを叩く。
 ドンドンドン
「おーい、皆? 咲、優希、部長?」
 ドンドンドン と、ドアを叩く音だけが廊下に響く。
 するといきなり、左手の中の携帯が、ブーブー音を立てて震えた。
「うおっ!?」
 真っ暗闇の中でのことだったので、俺はびくっ、と跳びはねてしまった。
 溜まっていたメールが来たようで、一気に4通も来ていた。
 雑貨店までの道では電波状況が悪く、校舎まで戻ってようやく通じたのだろう。
 差出人は、部長と咲だった。
1通目
 from 咲
 sub 京ちゃん大丈夫?
 本文:今ちょうど半荘1回終わったところだけど、京ちゃんの帰りが遅いのでみんな心配しています。
 これを見たら、返信してね。

2通目
 from 部長
 sub 雪降って来たけど
 本文:須賀君大丈夫かな? もしもっと降りそうだと思ったら、今日は買い物はいいから急いで帰ってきていいよ。

3通目
 from 部長
 sub ごめん!
 本文:雪が本当に強くなりそうなので、私たちは先に帰ります。
 私たちも傘や防寒具がほとんどないので、冗談にならなくなる前に。須賀君の荷物は部室の前に置いとくから、ごめんね!><

 そして4通目
 これは発信時間を見ても、ちょうどいま送られてきたものらしい。
 from 咲
 sub 京ちゃん、返事して
 本文:京ちゃん、先に帰っちゃって本当にごめんね。返事がないから、みんなずっと心配していました。
 私はもう家に着いたけど、京ちゃんはまだ学校だったら言ってね。
 京ちゃん傘持ってなかったよね? そしたら傘2本持って迎えに行くから。
 ほんとうにごめんね。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
660Res/374.36 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice