68:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:41:05.01 ID:I+fdqcufo
ドレスはぼろぼろ。
腕も脚も無残に引き千切られ。
69:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:42:20.56 ID:I+fdqcufo
「い……嫌だよお」
それまでの古風な言葉遣いも崩れ――彼女は髪の色と同じ、金色の瞳から――
70:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:43:15.01 ID:I+fdqcufo
「死ぬのやだ、死ぬのやだ、消えたくない、なくなりたくない! やだよお! 誰か、誰か、
誰か、誰かあ――」
71:名無しNIPPER
2016/05/14(土) 15:43:51.58 ID:I+fdqcufo
「うわああああん」
流す涙が――血の赤に変わり始めた。
72:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:45:58.73 ID:I+fdqcufo
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんな
さい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
73:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:48:06.74 ID:I+fdqcufo
「……いや、一つだけ道はあるかな」
一つだけというか、一人だけ。
74:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:53:55.27 ID:I+fdqcufo
「……………………」
もし、もしもだ。
もしもの戯言。
75:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:59:03.82 ID:I+fdqcufo
だとしたら、ここで彼女を見捨てる行為は、見殺す行為は、彼女をぼくが直接殺すこと
と等しい。
76:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 16:05:22.33 ID:I+fdqcufo
「……………………ふう」
……なにをやっているのだろう、ぼくは。
77:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 16:07:38.79 ID:I+fdqcufo
「はあ」とぼくは溜息を吐いた。自然にそれは出てきた。こんなやつ助けたところでどうにも
ならないが、助けなかったところで何も変わらない。ぼくの命が――失われるだけだ――
78:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 16:09:31.73 ID:I+fdqcufo
ぼくは、振り返って彼女に近づき、謝罪を続ける彼女の前に座り込み、首を差し出した。
「えっ?」
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