72:名無しNIPPER[saga]
2016/05/14(土) 15:45:58.73 ID:I+fdqcufo
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんな
さい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」
彼女は泣き叫ぶ。泣き叫び続ける。されど人は来ない。目の前にいるぼくは彼女を
助けない。彼女は助からない。それにたとえ誰かが来ても、その人は彼女を助けない。
そういう運命だったとでも言うべきなのだろうか?
彼女が死ぬことは必然だとでも言うのだろうか?
彼女は死ななければならなかったのだろうか?
ぼくには、わからない。
ぼくは彼女に背を向けて、彼女を見捨てることにした。
見殺すことにした。
ぼくがこれ以上いたところでどうにもならないし、どうしようもない。
まったく、時間を無駄にしてしまった。
そうだ、これからどうなったって、誰が来たって、彼女は死ぬしか――。
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