モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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331
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◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:34:13.25 ID:nZ3oq+wSo
『悪いけどきらり、あたしにはあの子を連れ出してくることはできるけど、癒してやることはできない。
あたしにとっての光は道しるべにはなれるけど、きっとあの子の孤独を満たすことはできないと思う。
以下略
AAS
332
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:35:09.33 ID:nZ3oq+wSo
『これは……あの時と同じ』
夏樹はこの光景に見覚えがあった。
かつてあの忌まわしき研究所で、奈緒を見つけた時のこと。沢山の獣の瞳が此方を睨み、沢山の研究員たちが黒色に飲まれていった。
以下略
AAS
333
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:35:44.10 ID:nZ3oq+wSo
体を貫かれた獣人はもがきながら竜頭に爪を立てて、姿を崩す。
だが巨大な黒い泥に黒い泥に戻ったかに見えた二体の泥の獣人は、そのまま崩れることはなかった。
『『『グ、グルアアアアアアァ!』』』
以下略
AAS
334
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:36:17.10 ID:nZ3oq+wSo
しかし、髪にはさみを入れるような軽い音と、何かが駆ける音が小さく鳴っている。
奈緒を飲み込んだ竜頭は動きが不自然になり、その体に数多の亀裂が刻まれていく。
「おらああああああぁ!道を、開けろぉ!」
以下略
AAS
335
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:36:46.31 ID:nZ3oq+wSo
本来その泥の沼は、決して深いものではなく水溜りと大差はない。
しかし、ウルティマの足元だけは例外であり、そこはウルティマの心の源泉であり混沌の中心であった。
その深度は、底なしの如くであり、満たされた泥は強酸のように取り込んだものを同一化するために溶かし始める。
以下略
AAS
336
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:37:12.78 ID:nZ3oq+wSo
泥をかき分けた先が、ウルティマの最も深いところに触れる。
それに気が付いた奈緒は全身の力を振り絞って、体を前に進め、孤独の玉座へと挑んだ。
だが所詮はここまでの泥はウルティマ『以外』でしかなく、行く手を阻む前座でしかない。
真に奈緒が相対すべき相手は、この奥であった。
以下略
AAS
337
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:37:41.81 ID:nZ3oq+wSo
ここはウルティマの泥の最奥であり、間違いなく不純物のないウルティマ自身の心象である。
だがこの景色は人の内面というにはあまりに殺風景、かつ無機質だ。
時間の止まった遊園地とこの世の物とは思えぬ空模様は、命を感じさせない荒廃の情景である。
当然それが健全な心ではないことを表しており、ウルティマの闇であり病みの具現であったのだ。
以下略
AAS
338
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:38:11.34 ID:nZ3oq+wSo
「なぁ……君の、名前は?」
奈緒は突如として現れた少女に内心驚きつつも、平静を保ちながら名を訪ねる。
目の前の少女は、先ほどまで戦っていた蛇頭の主と寸分違わぬ姿をしており、この少女こそが泥の汚染を抜きにした真の意味での心であろう。
以下略
AAS
339
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:38:46.18 ID:nZ3oq+wSo
(とにかく、この『あたし』は耐えられなかった。だから飢えに飲まれて。
孤独を凌ぐためにあらゆるものを食べるだけの怪物に堕ちたんだ)
以下略
AAS
340
:
◆EBFgUqOyPQ
[saga sage]
2016/10/18(火) 02:39:22.97 ID:nZ3oq+wSo
『そと?とおいところなの?』
「まぁ……ちょっと遠かったな。でも、大した距離じゃないさ」
以下略
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