モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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332: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:35:09.33 ID:nZ3oq+wSo

『これは……あの時と同じ』

 夏樹はこの光景に見覚えがあった。
 かつてあの忌まわしき研究所で、奈緒を見つけた時のこと。沢山の獣の瞳が此方を睨み、沢山の研究員たちが黒色に飲まれていった。

 そしてこれはこれまでの直接的な攻撃ではなく、本当の意味でウルティマも決着を付けに来ていることは明らかであった。

『知っているよ。そこは寂しくて、苦しくて、絶対に満たされない。

だから、今度はあたしが、お前を『底』から連れ出してやる!」


――わかったよご主人様。ここは任せて。
――その言葉を、その意思を、僕たちは、私たちは待っていた。


 魔獣の腹から、泥をかき分けるように奈緒が飛び出す。
 そしてその場に残った泥の魔獣は形が崩れることなく姿を維持したまま迫りくる八つの竜に相対した。
 魔獣は主をその中に宿さぬまま、機敏に動く。

 まず二本の竜頭を抱える世に掴み脇でへし折り、千切り捨てる。真正面から来た竜頭をその手の狂爪で輪切りにした。
 だが一本の竜頭が魔獣の頭に食らいつき、引き裂こうと力を籠める。

 泥の魔獣は二つに分裂して、その咬合から逃れ、二体の獣人に分裂した泥は動きを揃えるようにその竜頭を蹴り貫いた。

 しかし、遅れて迫る二つの竜頭がそれぞれの獣人の巨躯を貫き、そのまま体を持ち上げた。

『グ、グオオオオオォ!』



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