モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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333: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:35:44.10 ID:nZ3oq+wSo

 体を貫かれた獣人はもがきながら竜頭に爪を立てて、姿を崩す。
 だが巨大な黒い泥に黒い泥に戻ったかに見えた二体の泥の獣人は、そのまま崩れることはなかった。

『『『グ、グルアアアアアアァ!』』』

 獣人の泥は形を崩した後、沸き立ち、その中から大量の獣が這い出てくる。
 その獣たちは各々が竜頭に食らいつき、暴れるその首を多勢によって抑えつけていく。



「うおおおおおお!」

 一方でウルティマの元へと一直線に駆け出す奈緒に立ちふさがるのは、残る二本の竜頭。
 その大顎は、奈緒を一飲みできるほどに巨大であり、一つの竜頭がその大口を開けながら奈緒の前方から迫りくる。

「そこを、どけぇ!」

 奈緒はその大口を回避しつつ、右手に備えた鋭い泥の爪で竜の頬を割きながら前進する。
 だがその攻撃は巨大な竜頭にとっては微々たるものであり、切り裂かれた髪の繊維の断面から、小さな蛇頭が新たに奈緒に向かってきた。

「絡み、付くな!」

 奈緒は自身に纏わりつくように追ってくる蛇頭に対して、弾丸のように回転しながら飛び跳ねる。
 構えた爪は回転によって纏わりつく蛇頭をすべて切り伏せ、着地した時に足元の泥が撥ねた。

――オオオオオオオオォ!

 だが着地の際の一瞬の静止は、相手にとっても十分な隙である。
 巨大な物体が動くことによって風を穿つ音は、唸り声のようで不気味な低音となり響く。
 もう一つの竜頭は真上から奈緒を丸呑みし、そのまま頭を再び天井付近まで持ち上げた。



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