モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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331: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:34:13.25 ID:nZ3oq+wSo

『悪いけどきらり、あたしにはあの子を連れ出してくることはできるけど、癒してやることはできない。

あたしにとっての光は道しるべにはなれるけど、きっとあの子の孤独を満たすことはできないと思う。

万全じゃないだろうけど、頼めるかな?』

「うん、わかったにぃ。奈緒チャンも、頑張って」

 目の前の魔獣から提案される案を、二つ返事で引き受けるきらり。
 今の状況を完全に理解したわけではないが、それでもその声が自分の友達のものであることが十分な理由であった。

『アアアアァ……サミシイ、クルシイ、オナカスイタアアアアア!

ナンデ、ナンデナンデナンデナンデナンデ、アタシヲヒトリニシナイデエエエエエエェ!』

 以前一歩も引かない奈緒にしびれを切らしたウルティマは己の感情を載せて咆哮を上げる。
 爆発的に増大する髪の毛は一本一本が複雑に絡まりあい、八つの蛇頭、否、竜頭となって満たされぬ空腹のためにその大顎を開く。

 そして足元の泥の沼も同様に広がっていき、同盟ロビー全体を漆黒で覆いつくした。

『アタシヲ……満タシテ』

 そして光の差さぬロビーの中、埋め尽くした暗闇が開眼する。
 数多の瞳が揃って渦中にいる奈緒たちの方を見つめていた。



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