モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part13
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330: ◆EBFgUqOyPQ[saga sage]
2016/10/18(火) 02:33:40.18 ID:nZ3oq+wSo

『そしてあの子は、多分あたしだ。理由とかは分かんないけど、あの研究所のことだし『こんなこと』があっても不思議じゃないよな。

……だからこそさ、あの子のことをあたしに任せてくれないか?夏樹』

『奈緒?どうする気だ?』

『もしかしたらあたしもあんな風になっていたかもしれない。

みんなに出会わなければ、ずっと一人で満たされないまま食べ続けていたかもしれないんだ。偶然かもしれないけど、みんなに救われたから今のあたしがある。

だったら今度は、あの救われていないあたしに教えてやらなくちゃ。外の光が当たるところに、連れ出してやるんだ』

 あの暗い水底を知っている奈緒だからこそ、その手を差し伸べたいと思うのだ。
 地獄はもう沢山だ。ならば今度は自分がその手を引いてそこから連れ出してやるのだと。

『策はあるのか?奈緒』

『大丈夫。それよりも、その後のことを少し、頼みたいかな』

「ん……?んにゅぅ……」

 そんな時後ろに倒れていたきらりから小さくうめき声が上がる。
 きらりはようやく目を覚ましたようで、周囲を確認しながら目の前の巨大な背中を見上げる。
 きらりの視界に映るのは、六つの腕を備えたこの世の物とは思えぬ醜悪な魔獣。
 だがきらりは一切狼狽えることなく、安心した視線を向けていた。



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