390: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 22:59:47.78 ID:Bxagxrqso
試合用フィールドの真ん中あたりで、私はじりじりと立ち上がった。
薄曇のなんでもない天気、午後のなんでもない時間。
391: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 23:01:45.38 ID:Bxagxrqso
???『では、強くなるとは、どういうことだろうか』
???『お前さんにとっての、で構わん』
392: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 23:03:10.26 ID:Bxagxrqso
だから私は、彼に言い返したのだ。
『今更、そんなこと尋くんですか』。
393: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 23:05:28.45 ID:Bxagxrqso
彼と自分との間に、優劣を決定づけるほどの身長差はない。
体力や年齢を考えれば、むしろこちらの方がずっと有利であるはずだ。
394: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 23:07:26.92 ID:Bxagxrqso
レンブはぎくりと顔を上げた。
我に返ってみると、自分の心臓が銅鑼のように鳴っている。
395: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/08/29(火) 23:09:03.57 ID:Bxagxrqso
急ぎタオルで汗を拭きながら事務室に入る。
荷物の上に置かれたキャスターがけたたましく鳴いていた。
396: ◆/D3JAdPz6s[saga]
2023/08/29(火) 23:09:41.64 ID:Bxagxrqso
今回はここまでです。
>>386
こちらこそありがとうございます!
397:名無しNIPPER
2023/08/30(水) 12:17:06.49 ID:D6KqNzFL0
お早い更新だ!!うれしい!
398: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/09/17(日) 00:51:32.99 ID:IYrmd6hRo
少し埃っぽい匂いが部屋に漂っている。
書庫のように林立した金属ラックには、大小さまざまな木箱やトレーが並ぶ。
399: ◆/D3JAdPz6s[saga sage]
2023/09/17(日) 00:52:57.41 ID:IYrmd6hRo
それから、その横で腕を組んで立つ女がいる。
この女のことも当然、知っていた。
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