勇者「伝説の勇者の息子が勇者とは限らない件」後編
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412:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:24:12.17 ID:ZSsiH8ra0
『伝説の勇者』は倒れた。
まだ息はあるものの、そう長くは保つまい。
戦士の目からは大粒の涙が溢れだしていた。
戦士は自分の目から溢れるソレを、怪訝な表情で拭った。
戦士は自分の涙の正体を自分自身掴めず、ただ困惑していた。
413:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:24:41.59 ID:ZSsiH8ra0
414:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:25:12.40 ID:ZSsiH8ra0
伝説の勇者『ぐ…う……』
大魔王『まだ立とうっていうのか? やめとけよ。力の差はもう十分理解しただろう』
伝説の勇者『黙れ…俺は負けない……負けるわけにはいかないんだ……』
415:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:26:18.34 ID:ZSsiH8ra0
大魔王『……とまぁ、こんなところだ。魔界のクソッタレな現状ってのが少しでも伝わってくれたのならありがたい』
伝説の勇者『まさか…そんな……』
大魔王『―――俺は魔界を救う。その為にお前の力を貸せ。「伝説の勇者」よ』
416:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:26:56.63 ID:ZSsiH8ra0
おいおい、そんな暗い顔をするな。
417:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:27:33.90 ID:ZSsiH8ra0
ぴくり、と『伝説の勇者』の指が動いた。
その手が地面に打ち捨てられた己の剣を取る。
伝説の勇者(そうだ……何もかも、生きていてこそだ)
418:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:28:18.78 ID:ZSsiH8ra0
すまない。すまない。すまない。
419:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:29:29.94 ID:ZSsiH8ra0
伝説の勇者「こういう風に――――な!!」
『伝説の勇者』が動く。
ただならぬ気配を感じ取った勇者は反射的に防御の体勢に移行する。
しかし勇者の防御をあっさりと潜り抜け―――『伝説の勇者』の剣が勇者の体を切り裂いた。
420:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:30:04.03 ID:ZSsiH8ra0
伝説の勇者「勇者ッ!!!?」
戦士「勇者ッ!!!?」
『伝説の勇者』と戦士の、悲鳴のような声が重なった。
421:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:30:43.23 ID:ZSsiH8ra0
戦士「勇者…!」
勇者「悪いけど下がっててくれ戦士。邪魔だ。巻き込まれるぞ」
勇者は精霊剣・湖月を右手に持った。
422:名無しNIPPER[saga]
2016/11/06(日) 01:31:23.67 ID:ZSsiH8ra0
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