60: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:14:31.77 ID:SNn8TeIE0
◇
資料よし、概要把握よし、シエルとのコンタクトよし。緊張状態は……追々。
ジュリウスは本部との通信会議のためフライアへ、ギルはハルさんと共に討伐任務へ、それぞれ出向中だ。
今回の隊長代理としての仕事は簡単な近況報告だし、もうへまはしない。
61: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:18:35.19 ID:SNn8TeIE0
◇
ジュリウスとギルが帰ってきた後、ナナは不調の原因の解明のため、入れ替わりでラケル博士のいるフライアへと向かった。
ラケル博士には神経学者かつ、"マグノリア=コンパス"の長として、これまでにもナナを診てきた経験があるそうだ。
私はジュリウスに事の一部始終を改めて報告し、彼がナナについて知っていることを話してもらった。
62: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:22:04.07 ID:SNn8TeIE0
……失礼な話だけど、今まで診療とか薬とかとは無縁そうな振る舞いをしていたナナだけに、少し意外な成り立ちだった。
語り終えたジュリウスもそれに同調しつつ、すぐに真顔に戻った。
「とにかく、ナナの任務行動については調整を打診しよう」
63: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:29:41.29 ID:SNn8TeIE0
◇
極東支部より東に位置する、雪の降り積もった廃寺地区。
嘗て隠れ里であった一帯の生態系はアラガミによって悉く破壊され、夜空には皮肉にも、流麗なオーロラ領域が形成されている。
64: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:33:22.15 ID:SNn8TeIE0
中型種の討伐が完了した今、後は残った周辺の小型連中を一掃して離脱するのみ……のはずなんだけど。
アラガミの群れはリーダーを失ってなお、その数を増やしていた。
『ブラッドαへ!戦域周辺の全アラガミがそちらへ移動中!数は大型種が10以上……小型種は無数にいます!』
65: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:36:02.56 ID:SNn8TeIE0
◇
――合流してきたβ隊と救援の第一部隊によって外部から退路が切り開かれ、私達は這う這うの体で"アナグラ"へ逃げ帰ってきた。
ナナは支部長であり、極東支部のアラガミ技術開発統括責任者でもあるペイラー・榊博士の手引きによって、
彼のラボラトリに運び込まれ、偏食場パルスを遮断する隔離部屋へと収容されている。
66: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:38:21.67 ID:SNn8TeIE0
あの時の様子だと、ナナはその頃の記憶を全て思い出したに違いない。
それが引き金となって、彼女は力の扱い方を知らないまま、"血の力"にまで昇華させてしまった。
ナナが一時期変調をきたしていたのも"血の力"の兆候だったとすれば、
やはりその責任は、"喚起"の"血の力"を持った私にあるだろう――
67: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:40:53.52 ID:SNn8TeIE0
◇
討伐任務を終え、"アナグラ"に帰投した私達の元に、榊博士とリッカさんが血相を変えて飛び込んできた。
私達が帰ってくる少し前、外部居住区の老朽化した"アラガミ装甲壁"から、多数のアラガミが侵入。
幸い人的被害はなかったけど、代わりに神機を持ったナナが極東支部を脱走、
68: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:50:29.31 ID:SNn8TeIE0
◇
周辺のアラガミを一掃し、"ブラッド"全員が再び一堂に会す。
「みんな、ありがとう……」
69: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:55:12.79 ID:SNn8TeIE0
◇
この件以降、記憶が戻ったことでどこか変わってしまった部分もあるんじゃないかと危ぶむ声もあったけど、
ナナは相変わらず明るい性格のまま、今日も口いっぱいに"おでんパン"を頬張っている。
精神的成長は間違いなくあるだろうけど、変化した部分を強いて挙げるなら、
70: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 02:01:55.27 ID:SNn8TeIE0
ナナ編とロミオ編はギル編ほど表立って主人公が活躍しないから中々難しい……
ほぼ漫画版のコピペみたいになっちゃったけど
それぐらいナナ編の完成度が高いのでGE2漫画版3〜4巻を買おう(ステマ)
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