61: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:18:35.19 ID:SNn8TeIE0
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ジュリウスとギルが帰ってきた後、ナナは不調の原因の解明のため、入れ替わりでラケル博士のいるフライアへと向かった。
ラケル博士には神経学者かつ、"マグノリア=コンパス"の長として、これまでにもナナを診てきた経験があるそうだ。
私はジュリウスに事の一部始終を改めて報告し、彼がナナについて知っていることを話してもらった。
ジュリウス曰く、ナナは"ゴッドイーターチルドレン"と呼ばれる存在であるらしい。
既に亡くなっている神機使いの両親の間に産まれた彼女は、生まれながらにして体内に"偏食因子"を宿す。
そうした人間の持つ能力が未知数であるために、当時の極東支部でも、その存在は厳重に管理されていた。
つまり、ナナの母はナナを守るため、支部外での逃亡生活を選んだということか。
通常、神機使いに投与される"オラクル細胞"には、アラガミへのほぼ唯一の対抗手段でありながら、
同じく"オラクル細胞"によって構成された、一個体のアラガミとも言える神機を制御するため、
人為的な調整の施された"偏食因子"が備わっている。
この理論を応用することで、支部や"サテライト拠点"の外壁にも、
アラガミのコアに記憶された捕喰傾向を利用し、その場からアラガミを忌避させる"アラガミ装甲壁"が備え付けられているわけだけど、
"ゴッドイーターチルドレン"が生まれながらに宿す"偏食因子"は、恐らくアラガミのそれにごく近い、天然のものなのだろう。
そのため、"ゴッドイーターチルドレン"が神機使いとなるには、新たに調整した"オラクル細胞"を投与する必要があり、
その結果、濃度が高くなった"偏食因子"は、自力での制御が困難になる。
そこで、ラケル博士が定期的なメディカルチェックを行い、薬を投与することでナナに内在する"偏食因子"を安定させてきたけど、
今になってその均衡が、何らかの要因で保たれなくなってしまった、と言ったところだろうか。
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