63: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:29:41.29 ID:SNn8TeIE0
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極東支部より東に位置する、雪の降り積もった廃寺地区。
嘗て隠れ里であった一帯の生態系はアラガミによって悉く破壊され、夜空には皮肉にも、流麗なオーロラ領域が形成されている。
今回の"ブラッド"の任務はここに出現した中型アラガミの討伐であり、
それを中心に集まる小型アラガミの増加を防ぐためのものであった。
"ブラッド"はジュリウス、私、ロミオ、ナナのα隊、シエルとギルのβ隊に分かれ、α隊は本丸の中型種討伐へ向かう。
油断はできないけど、この程度の戦力なら、今の"ブラッド"の相手にはならない。
ただ一つの懸念は、ナナが不調のまま戦列に参加していることだった。
フライアから戻ってきた彼女たっての願いだし、任務自体の難度も低いけど、どうしても不安は残る。
ジュリウスの指示の元、α隊全員が即時ナナのフォローに回れるよう立ち回りつつも、周囲の小型アラガミを排除していく。
雑魚を下した先で対峙する中型アラガミは、上半身には巨大な翼手、下半身には硬質化した二本足という、所謂鳥人のような出で立ちで、
翼手を用いた広範囲な攻撃や、掌から放たれるオラクルエネルギー弾によるアウトレンジ戦法を得意とする。
中型種の翼手を掻い潜り、攻撃を加えていく中、オペレーターからアラガミ増援の報せが届いた。
時間をかけてはいられない。
神機を銃形態に変形させた私は走る勢いのまま雪原を蹴り、一瞬で中型種との間合いを詰める。
"ラッシュファイア"と呼ばれる技法で、神機の銃身を近接パーツに換装することで得られる、特殊な移動方法だ。
今回、近接銃を用いたのはこのためだけではない。
この銃身パーツはその名の通り、敵に接近した際に大きな効果を発揮するもので、
現在私の神機には、"オラクル細胞"同士の結合を著しく阻害する"徹甲弾"の"ブラッドバレット"が装填されている。
中型種に急接近した私はヤツの下半身に狙いをつけ、"徹甲弾"を直に当てることで、その装甲を結合崩壊させた。
そのダメージに片膝をついた中型種の頭部めがけ、私の背後に控えていたロミオが、得物である大剣型の神機を振り下ろす。
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