64: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/08/26(水) 01:33:22.15 ID:SNn8TeIE0
中型種の討伐が完了した今、後は残った周辺の小型連中を一掃して離脱するのみ……のはずなんだけど。
アラガミの群れはリーダーを失ってなお、その数を増やしていた。
『ブラッドαへ!戦域周辺の全アラガミがそちらへ移動中!数は大型種が10以上……小型種は無数にいます!』
オペレーターの動揺がこちら側にも伝播する。
これでは、群れを形成するというより、まるでこちらを目印に集結してきているような――
"アラガミが群体行動をとるのは、「偏食場」同士が互いに共鳴し合っているためであり、――"
"「ゴッドイーターチルドレン」が生まれながらに宿す「偏食因子」は、恐らくアラガミのそれにごく近い、天然のものなのだろう。"
――まさか。
小型アラガミの胴体を刺し貫きながらも、オペレーターに、ナナのいる地点と偏食場パルス発生地点の照合を依頼する。
その間にも、廃寺地区は夥しい数のアラガミに取り囲まれてしまっていた。
「ナナ!ラケル先生からも無理しないように言われてるんだろ!?」
「俺が退路を開く!ナナ、お前だけでも逃げるんだ!」
「私だけ……逃げる……?……っ!」
照合結果が出た。
やはり、ナナのいる地点から一際強力な偏食場パルス反応が検出されている。
「……私のせいだ……私のせいでみんなが……お母さんが……!」
「うぅ……っく……っ……!」
不意に、何らかの力場を感じ取る。
しかもこれは、以前にも何度か感じた覚えのある、固有のものだ。
「――うわぁあああああああああああっ!!」
――ここら一帯のアラガミを引き寄せていたのは、ナナの"血の力"だった。
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