320: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:05:28.78 ID:AUhW46e4o
「……これは、俺の役目だ」
「俺一人でなければ、神機使いを守り導く事など、出来やしない」
場が、静まり返る。
321: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:08:07.26 ID:AUhW46e4o
「どうして、そんなに辛そうな顔をするの?」
「……何が言いたい」
322: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:10:27.89 ID:AUhW46e4o
ここまで
やっと原作に沿える展開に入ったから軽く流せると思ったら難産でこれは……
323: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:54:17.84 ID:0GQMf/Jmo
◇
眠れない。
明朝の決戦に備え、寝ずの番を”神機兵”に任せた仲間達は、静かに寝息を立てている。
私もその例に漏れず、休息を取らないといけないんだけど、どうにも落ち着けずにいた。
324: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:55:59.32 ID:0GQMf/Jmo
「く……っ」
薄く雲がかかった、月の下。
音の主は、出入り口から少し離れた岩場にいた。
325: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:56:58.22 ID:0GQMf/Jmo
明確な違和感を持ったのは、ジュリウスと別れた時だった。
彼が怒りの中で私に掴みかからなかったのも、直接私の手に触れずにディスクを渡したのも。
今考えれば、接触感染の可能性が極めて高い、”黒蛛病”の伝染を防ぐための手立てだったのだろう。
……そうであって欲しくは、なかったけど。
326: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:58:20.39 ID:0GQMf/Jmo
「まあ、安静にしたところでどうにかなるものでもないし、好きにやらせてもらうさ」
「新たな世界の、その礎だけでも……築いておきたいからな」
「だから……お前達の元には、いられない」
327: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:00:25.03 ID:0GQMf/Jmo
「……懲りないな、お前は」
少し間を置いて、ジュリウスが言葉を返す。
彼にしては珍しく、少し呆れ気味な調子だった。
328: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:08:14.35 ID:0GQMf/Jmo
「……お前は、俺が求める力を持っていた」
「心を通わせ、得たつながりを力に"喚起"する……家族を求めていた俺にとって、まさしくうってつけじゃないか」
「……実際、お前には頼ってばかりいたしな」
329: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:09:12.11 ID:0GQMf/Jmo
「……副隊長のお前が信頼関係を結んでいく横で、隊長の俺は何をしていた?」
「隊員を理解し、導くのが長である者の本分だというのに、俺は……」
「あいつらの抱えていたものを測れないどころか、己の都合を優先して逃げていただけじゃないか……!」
330: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:10:44.16 ID:0GQMf/Jmo
「……そうだね、ありがとう」
本当の彼は、自分を許せない。
家族を求めながら深く知り合えず、助けられなかった自身を悔いている。
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