327: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 01:00:25.03 ID:0GQMf/Jmo
「……懲りないな、お前は」
少し間を置いて、ジュリウスが言葉を返す。
彼にしては珍しく、少し呆れ気味な調子だった。
「だが、その真っ直ぐさが……羨ましくもある」
「……えっ」
今度は私の方が、呆気に取られる
「あんまりな反応だが、俺も嫉妬ぐらいはする」
「え、あっ……ごめんなさい」
「いや、いい……ぐっ」
突然、ジュリウスが咳き込む。
病は、今も彼の身体を徐々に蝕んでいた。
「ジュリウス!?」
「っ……気にするな、こればかりはどうしようもない」
歪んだ顔を、ジュリウスは少しだけ和らげる。
近づいた私を手で制し、彼は改めて語り始めた。
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