【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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325: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:56:58.22 ID:0GQMf/Jmo

明確な違和感を持ったのは、ジュリウスと別れた時だった。
彼が怒りの中で私に掴みかからなかったのも、直接私の手に触れずにディスクを渡したのも。
今考えれば、接触感染の可能性が極めて高い、”黒蛛病”の伝染を防ぐための手立てだったのだろう。
……そうであって欲しくは、なかったけど。

「フッ……そうか、とんだ一人相撲を演じていたようだな」

薄く笑うジュリウスの様子は、どこか心許ない。

「だが、これでわかったろう……俺は、前に進めない」

「……まだ、そうと決まったわけじゃないよ」
「今だって、フライアで研究は進んでるんでしょ?」

彼が”黒蛛病”に罹っている事を、ラケル博士が知らないはずはない。
治療に専念するという名目で私達を切り離したというのなら、何らかの手段を見出せていてもいいはずだ。

「そちらは任せきりでな……今のところは、何も聞けていない」

そんな当てつけにも似た願いが、叶うはずもなかった。
ジュリウスは首を振り、またも自嘲めいた笑みを作ってみせる。



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