321: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:08:07.26 ID:AUhW46e4o
「どうして、そんなに辛そうな顔をするの?」
「……何が言いたい」
ジュリウスが自分の意志で選び取った道を、捻じ曲げてしまおうとは思わない。
「私はただ……ジュリウスの気持ちを、知りたいだけ」
だからこそ、私を見捨てなかった、大切な仲間達のように。
不器用なサインを示す、本当の彼を信じたかった。
「同じ道じゃなくても、一緒にロミオの遺志は継いでいける」
「元通りになれなくても、前に進めるって……今は、そう信じられるから」
そう嘯く私と、頷く3人から、ジュリウスは尚も苦渋の顔で目を逸らす。
「……これ以上話したところで、平行線を辿るだけだ」
わかり合えるのが今じゃなくても、生きている内に、きっと。
私の目は、去って行く彼の左腕を捉えていた。
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