315: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/06(日) 00:36:41.35 ID:g2l4oEKho
「これは、ただの戦いじゃない……ロミオの、仇だ」
ジュリウスの言葉の通り、今回の討伐対象は少なくとも私達にとって、共通の敵となる存在。
彼から進んで"ブラッド"に手を貸すのも厭わないほど、確実に仕留めなければならない仇だった。
316: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 22:54:32.50 ID:AUhW46e4o
◇
程なくして、遠征作戦は決行された。
シエルの戦略通り、私達は山麓部から突入し、"神機兵"のサポートを受けながらも、着実にアラガミの群れを減らしていく。
その中でも、ジュリウスの指揮する"神機兵"部隊は、完璧な統制ぶりを発揮していた。
317: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 22:58:07.87 ID:AUhW46e4o
携帯食料も食べ終え、ジュリウスを含めた全員がテーブルを囲む。
違った形とはいえ、一日中戦いを共にした影響なのか、悪い雰囲気ではなかった。
「このキャンプってさ……ちょっと不安じゃない?」
318: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 22:59:51.17 ID:AUhW46e4o
「……ギル、どうかした?」
「いや……実力は認めてやるべきだと思ってな」
「ジュリウス……"神機兵"は、あれで完成なのか?」
319: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:03:27.50 ID:AUhW46e4o
「ジュリウス、少しは話せるようだから言っておくがな……俺に、いや……俺達に、守られてやるつもりはない」
「戦いが全てとは言わない……だが、"神機兵"の後ろで腐っているだけなんざ、まっぴらごめんだ」
「……だろうな」
320: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:05:28.78 ID:AUhW46e4o
「……これは、俺の役目だ」
「俺一人でなければ、神機使いを守り導く事など、出来やしない」
場が、静まり返る。
321: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:08:07.26 ID:AUhW46e4o
「どうして、そんなに辛そうな顔をするの?」
「……何が言いたい」
322: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/07(月) 23:10:27.89 ID:AUhW46e4o
ここまで
やっと原作に沿える展開に入ったから軽く流せると思ったら難産でこれは……
323: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:54:17.84 ID:0GQMf/Jmo
◇
眠れない。
明朝の決戦に備え、寝ずの番を”神機兵”に任せた仲間達は、静かに寝息を立てている。
私もその例に漏れず、休息を取らないといけないんだけど、どうにも落ち着けずにいた。
324: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:55:59.32 ID:0GQMf/Jmo
「く……っ」
薄く雲がかかった、月の下。
音の主は、出入り口から少し離れた岩場にいた。
325: ◆6QfWz14LJM[saga]
2016/03/11(金) 00:56:58.22 ID:0GQMf/Jmo
明確な違和感を持ったのは、ジュリウスと別れた時だった。
彼が怒りの中で私に掴みかからなかったのも、直接私の手に触れずにディスクを渡したのも。
今考えれば、接触感染の可能性が極めて高い、”黒蛛病”の伝染を防ぐための手立てだったのだろう。
……そうであって欲しくは、なかったけど。
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