138: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:16:36.92 ID:+IcfBHrRo
◇
前線基地跡、第4ゲート付近。
まだ神機使いが対アラガミ戦力の中心となっていなかった頃、世界の各地には、連合軍によって建造された前線基地が稼働していた。
それも現在では悉く廃棄され、クレーターに建造物の倒壊、止まぬ火の手と、アラガミの傷痕が色濃く残された廃墟となっている。
139: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:19:48.59 ID:+IcfBHrRo
自らもその身に狙撃を数発受け、戦車型が怒りの咆哮を上げる。
それと共に側部の器官を展開し、内蔵されていた複数のオラクル弾頭が放たれた。
私は自らに向けて降り注ぐ弾頭を飛び退いて回避し、そのまま下の地面に着地する。
立ち上がった拍子に神機を近接形態に変形させ、既に間合いを詰めに来ていた戦車型へと走り出した。
140: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:22:08.30 ID:+IcfBHrRo
戦車型が姿勢を変えたタイミングで、まずは一閃。
"ブラッドアーツ"で小型アラガミ達を薙ぎ払い、初手の狙撃で消費したオラクルエネルギーを幾らか補う。
次に、神機を捕喰形態に移行させ、"ブラッドアーツ"の余波で怯んだ残りの小型アラガミに狙いを定める。
神機のコアから伸びた"オラクル細胞"の咢は小型アラガミに深々と食い込み、その肉体を持ち上げた。
141: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:25:28.08 ID:+IcfBHrRo
悲鳴を上げながらバランスを崩し、そのままつんのめる形で倒れ込んだ戦車型の、前脚から胴体までを順に駆け上っていく。
動きを封じたとはいえ、広範囲に渡る爆撃を行えるオラクル弾頭の存在は厄介に変わりない。
このチャンスに、そうした手段も絶たなければ――
142: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:28:57.42 ID:+IcfBHrRo
――その瞬間。
私が今まさに使おうとしていたものと、全く同形状の物体がこの場に投げ込まれた。
それを察知した私は、即座に視界を閉ざす。
何も知らぬアラガミ2体の視聴覚を刺激する、眩い光。
143: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:32:17.66 ID:+IcfBHrRo
「……なぁ、あれってコア、大丈夫なのかな」
一旦戦いが終わり、戦車型のコアを捕喰する中、ロミオがぼやく。
斃したアラガミのコアは、支部に持ち帰れば、外壁の"アラガミ装甲壁"に用いられる。
144: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:37:11.54 ID:+IcfBHrRo
◇
アラガミの群れに苦戦する他の部隊や"神機兵"の援護に向かい、周辺エリアのアラガミを一掃した後、
私達はアラガミの侵攻の余波を受け、被災地となっていた"サテライト拠点"住民の避難誘導を行っていた。
神機使い達の尽力で被害は抑えられたけど、それも0というわけじゃない。
145: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:41:24.78 ID:+IcfBHrRo
「――ジュリウスごめん!俺ちょっと行ってくる!」
その不吉さに呼応するかのように、ロミオが突然"赤い雨"用の防護服を引ったくり、シェルターの外に駆け出していく。
思わず、そのままの格好で私が追いかけようとしたところを、ジュリウスの手に制止される。
146: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:43:31.86 ID:+IcfBHrRo
予告通りロミオ死亡まで
戦闘描写はノッキンオンヘブンズドアを大いに参考にさせていただいてます
147:名無しNIPPER[sage]
2015/09/23(水) 23:48:26.59 ID:6rC3aIrH0
乙乙
楽しみに読んでますぜ
つづき待ってるよ
148: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/29(火) 00:36:43.08 ID:xjyru10jo
その言葉だけで一年は戦える
さすがにそこまで長引かないけど投下
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