141: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:25:28.08 ID:+IcfBHrRo
悲鳴を上げながらバランスを崩し、そのままつんのめる形で倒れ込んだ戦車型の、前脚から胴体までを順に駆け上っていく。
動きを封じたとはいえ、広範囲に渡る爆撃を行えるオラクル弾頭の存在は厄介に変わりない。
このチャンスに、そうした手段も絶たなければ――
――突然、背中に大きな衝撃が走った。
困惑とひりつくような痛みに足を踏み外すも、何とか着地には成功する。
ふらつきながらも戦車型から距離を取り、攻撃のあった方向に視線を合わせると、そこには翼手を天に掲げた、鳥人の中型アラガミがいた。
迂闊だった。
"神機兵"か、他のエリアからの取りこぼしかはわからないけど、恐らく先の爆発の混乱に乗じてに紛れ込んでいたのだろう。
多くの戦力を動かす関係上、オペレーターも十分なサポートが行えないというのに、
私の相手は戦車型と小型アラガミの群れだと、油断してしまっていた。
私が背中に受けたのは、あの中型アラガミが繰り出すオラクルエネルギー弾による攻撃だろう。
活性化状態であった事から、危うく大事には至っていないようだけど、こちらの勢いを殺すには十分な痛手だ。
私の無事を確認した中型アラガミが、先ほどと同程度のエネルギー弾をこちらに向けて連射する。
体勢も整っていない今では、防御しか手段がない。
装甲パーツの展開を間に合わせ、背中の火傷に呻きながらも、攻撃を耐え凌ぐ。
当然立ち上がれないまでも、戦車型が立ち直るのは時間の問題だ。
また爆撃を仕掛けられる前に、こちらも策を講じなければ。
現在、私がすぐ使用できるのは、数個のスタングレネード。
強烈な閃光と特殊な超音波により、短時間、アラガミの視聴覚を遮断する事のできる代物だ。
特に戦闘中では、複数のアラガミとの乱戦になった際に用いられることが多い。
装甲への衝撃が止み、顔を出すと、中型アラガミがその翼手を用いた滑空攻撃でこちらに迫ってきていた。
考えている暇はない。
一先ず仕切り直しとして、このスタングレネードを――
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