140: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:22:08.30 ID:+IcfBHrRo
戦車型が姿勢を変えたタイミングで、まずは一閃。
"ブラッドアーツ"で小型アラガミ達を薙ぎ払い、初手の狙撃で消費したオラクルエネルギーを幾らか補う。
次に、神機を捕喰形態に移行させ、"ブラッドアーツ"の余波で怯んだ残りの小型アラガミに狙いを定める。
神機のコアから伸びた"オラクル細胞"の咢は小型アラガミに深々と食い込み、その肉体を持ち上げた。
それを振りかぶり、既に発射準備を整えた戦車型めがけ、サイドスロー気味に小型アラガミを投げ込む。
発射された弾頭。飛んでくる小型アラガミ。
そのどちらも止まることはなく、戦車型の眼前で大きな爆発が起きた。
辺りが爆風に包まれ、私とアラガミ、双方の視界が一時遮られる。
防御用に構えていた装甲の展開を解き、煙が晴れた後の爆心地を見やると、そこには予期せぬ事態に痛手を負った、戦車型の姿があった。
装甲を開け放していた巨大弾頭の発射器官は焼け爛れ、頭部の排熱器官は大きく傷ついている。
皮肉にも、アラガミのその巨体によって、ヤツが背にした施設はさほど被害を受けていないようだった。
それを認めた私は、身体の内側から湧き上がる力を体感しながら、その昂揚感に任せて戦車型に突進していった。
小型アラガミを投げ込んだ際の捕喰による、"オラクル細胞"の活性化だ。
活性化によって漲った"オラクル細胞"は身体能力を跳ね上げ、一瞬にも思える体感時間で、私を相手の元まで誘っていく。
私の接近を察知した戦車型は後ろ脚で立ち上がり、軍馬の如く上体を大きく反らす。
その姿勢から繰り出される、全体重を前脚にかけた圧し掛かり。
それをまともに貰えば、いかに第3世代の神機使いといえど、無事では済まないだろう。
だから、そうならないように印をつけておいた。
勢いをつけた速度のままに地面を蹴り、私は戦車型の振り下ろした前脚に沿う形で飛び上がった。
無限軌道を模した前脚の、その隙間に滲む鮮血を瞬間的に認識し、長刀を閃かせる。
既に作られていた傷を入り口に、その比にならない剣圧を刻み込まれたアラガミの前脚は、
付け根から中程を残し、私の着地と共にあっさりと寸断された。
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