【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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144: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:37:11.54 ID:+IcfBHrRo


 アラガミの群れに苦戦する他の部隊や"神機兵"の援護に向かい、周辺エリアのアラガミを一掃した後、
私達はアラガミの侵攻の余波を受け、被災地となっていた"サテライト拠点"住民の避難誘導を行っていた。
神機使い達の尽力で被害は抑えられたけど、それも0というわけじゃない。
払った犠牲を胸に、神機使いや住民が表情に影を落とす中、それでもユノは気丈な姿勢を崩さなかった。

「生きてさえいれば、何度だってやり直せます……今までだって、そうしてきましたから」

失ったものを背負いながら、けして絶望には浸からない心。
ユノがアイドルとしてだけでなく、サテライト市民の代表としてもいられるのは、こうした芯の強さがあるからなのだろう。

その一方で私は、火の上がる民家を見て、またも胸の内側にざわつくものを感じていた。
今いる全ての人間を救い、この世に救うアラガミ共を討滅する。
そんな大それた考えを持っているわけじゃないけど、私は果たして、自分の手の届く範囲の人々でさえ、守ることが出来るのだろうか。
……いや、守らなければならない。
それが"ブラッド"副隊長以前の、神機使いとしての私の存在価値だ。
嘗て人のいた居場所を朽ちさせる炎は、そんな私の揺らぎを如実に表しているかのようだった。

多くの住民の無事が確認されたところで、フライアから赤い積乱雲の接近が報じられた。
ジュリウスは住民の中央シェルターへの避難を急がせ、他のエリアへのコンタクトも取っていく。
そのさ中、"サテライト拠点"の警護を担当していた"神機兵"が、突如動作を停止し始めた。
周辺エリアの確認できる住民を全てシェルターに収容し、侵攻してきたアラガミも粗方斃すか、追い払ったところではあるけど、
この状況下で唯一行動出来るはずの"神機兵"が、まるで糸を切られた人形のように動きを止めていくさまは、否が応にも周囲の不安を煽りたてた。



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