【ゴッドイーター2】隊長「ヘアクリップ」
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145: ◆6QfWz14LJM[saga]
2015/09/23(水) 01:41:24.78 ID:+IcfBHrRo

「――ジュリウスごめん!俺ちょっと行ってくる!」

その不吉さに呼応するかのように、ロミオが突然"赤い雨"用の防護服を引ったくり、シェルターの外に駆け出していく。
思わず、そのままの格好で私が追いかけようとしたところを、ジュリウスの手に制止される。

「待て、俺が連れ戻しに行こう……お前はここで、進入してこようとするアラガミを食い止めてくれ」

そう言い放ち、ジュリウスも防護服を着て駆け出していく。
追いかけようにも、アラガミが出てこない確証がない以上、シェルター内の住民を捨て置くことはできない。
ジュリウスの懸念通り、しばらく後には複数アラガミが襲来し、私はそれを一体残らず撃破していく。

私がアラガミを相手取っている間も、2人は未だ帰ってこなかった。
あの防護服はあくまで"赤い雨"の中での行動を可能にする装備であって、戦闘での着用は想定されていない。
もしあの時、私の前を通り過ぎようとしたロミオを、私が咄嗟に抑え込むことが出来ていたら。
せめて、ジュリウスの代わりに私が出ていれば。
そんな後悔と不安を抱き始めたその時、大きな力場を感じ取った。
"ブラッド"のみが感知する、"血の力"の覚醒による偏食場パルスの反応だ。
ということは、向こうではやはり戦闘があり、その中でロミオが覚醒したのか。
けれど、その波動は一際強いようでいて、消えかかった蝋燭の最後の輝きでもあるようで。
そのような感覚に囚われた直後、対峙していたアラガミが突如向きを変え、すごすごと引き返していく。
後方で待ち構えていた他のアラガミも同様の行動を取り、一種の不可解さを残したまま、"サテライト拠点"に一時の平和が戻った。

喜べばいいのか、訝しめばいいのか、複雑な気分を抱いている内に、"赤い雨"が止む。
それと共に極東支部から伝えられたのは、今回の作戦の終了と、ロミオの死だった。


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