413: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 20:59:05.41 ID:iQ7XYMi0O
井戸水を浴びる真九郎の横に立って、手ぬぐいと着替えを差し出してくるのは崩月散鶴。
夕乃の妹であり、真九郎にとっても妹のような存在だ。
生まれる以前からこの家にいた真九郎に対して、散鶴も兄のように慕ってくれている。
散鶴は紫より二歳年下の小学四年生。
ただし、散鶴の方が身体の成長は著しく、身長は紫とさほど変わらない。
414: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 20:59:37.78 ID:iQ7XYMi0O
「ありがとう、ちーちゃん」
お茶を淹れてくれた散鶴にお礼を言うと、お盆に口元を隠して恥ずかしそうに笑う。
夕乃の笑顔とは別の意味で癒される笑顔に、真九郎もつられて笑う。
415: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:00:03.80 ID:iQ7XYMi0O
「あります」
「ほら、さっきまで一緒に稽古してたし……」
416: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:00:29.48 ID:iQ7XYMi0O
笑顔で提案する真九郎に、夕乃は顔をひっこめる。
そのまま背を向けて、真九郎さんのニブチン、だの、私の意気地なし、だのとブツブツ言っている。
「おじいちゃん、今度、家族旅行でもしない?」
417: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:00:55.59 ID:iQ7XYMi0O
夕乃は幸せそうな顔を浮かべ、散鶴はそんな姉を見ながら小さく溜息を吐いた。
「別に、お姉ちゃんのためだけじゃないけどね……」
418: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:01:26.79 ID:iQ7XYMi0O
真九郎にはそれが、夕乃が言葉を躊躇っているように見えた。
「崩月家当主なら、何か知っているんじゃないの?」
419: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:01:52.44 ID:iQ7XYMi0O
「それは」
「それとも、正義のヒーローにでもなるおつもりですか?」
420: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:02:53.48 ID:iQ7XYMi0O
少し短いですが今回はここまで
電波の方を定期的に読み返しているんですが、やっぱ面白いですね
421:名無しNIPPER[sage]
2017/05/27(土) 21:15:17.12 ID:oYkmYnDto
乙です
422:名無しNIPPER[sage]
2017/05/27(土) 21:31:19.75 ID:vRgP70zFO
片山先生電波の続きはよはよ乙
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