417: ◆yyODYISLaQDh[sage saga]
2017/05/27(土) 21:00:55.59 ID:iQ7XYMi0O
夕乃は幸せそうな顔を浮かべ、散鶴はそんな姉を見ながら小さく溜息を吐いた。
「別に、お姉ちゃんのためだけじゃないけどね……」
小さな呟きは、夕乃には聞こえていないようだった。
〜〜
「それで、真九郎さん。私に何か、聞きたいことがあるんじゃないですか?」
それは崩月家で夕食を終えて、散鶴が風呂、冥理が食器を片付けに席を立った時だった。
居間には真九郎と夕乃、そして法泉のみ。
法泉は目をつぶって腕を組んだまま、口を噤んでいる。
まさに今、話を切り出そうとしていた真九郎は、やはりこの人達には敵わないな、と頬を?きながら口を開いた。
話しは当然、先日の事件のこと。
ドラッグにハマる不良グループなど今のご時世ではありふれているが、そのうちの一人が義足を用いて、更にはその口から《星?》の名前が出た。
「俺が裏十三家のことを知ったのは、この《崩月》の家で修行を終えて、揉め事処理屋になってから。ただの不良がその名前を知るはずもないし、それに《星?》製を手に入れるには高価過ぎる」
「……そうですね」
それまで真九郎の話を無言で聞いていた夕乃は湯呑を傾けて、小さく息を吐く。
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