295: ◆yyODYISLaQDh[sage]
2016/10/13(木) 20:35:07.87 ID:PtTb73MdO
すまぬ…すまぬ…
今月中に書ければ投下したい
原作がクロス作品なのにクロスさせるの難しい…
296:名無しNIPPER[sage]
2016/10/14(金) 00:36:57.36 ID:Lnhat11iO
同じ世界だけど別世界…期待して待ってるよ
297:名無しNIPPER[sage]
2016/10/14(金) 07:50:57.76 ID:LhD5/wB/O
ギリギリすぎんだろ…
298: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:20:35.32 ID:J8WJ1/+kO
=====
大きな窓に映る自身の姿を見て、やはり自分にはこういう格好は似合わないな、と真九郎は思った。
こういう派手な格好をするには、圧倒的に顔に貫禄が足りないのだ。
299: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:21:25.90 ID:J8WJ1/+kO
偽とはいってもホームページや会社のビルまであることになっており、ネタばらしをするなら、銀子の手によって作られた架空の会社である。
もちろん、名前のところにも偽名が使われている。
真九郎も裏の世界で名前が広まっており、いつどこにどんな人間がいるかわからない場所では、いつも銀子が作ってくれた設定に頼っている。
裏の世界の人間ならば誰もが知る伝説の情報屋・村上銀次。
その全てを受け継いだ孫娘である銀子の情報操作は、ちょっとやそっとでは暴くことはできない。
300: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:21:52.68 ID:J8WJ1/+kO
庭師や警備の努力によって死角は極力減らされているが、上から見ても庭園の警備員から見ても死角となる部分が一箇所だけある。
頻繁にこの屋敷に招待されている者や、この屋敷を守護している者も気づかない、或いは見過ごしてしまう程の本の小さな死角。
草木によって作り上げられたその死角――そこに佇む、一人の女性。
この庭園の死角は偶然できたものではなく、人為的に作られたものだ。
真九郎の経験上、パーティーの会場で密かに逢瀬を楽しむ男女(或いは同性かもしれないが)の為に、こういった場所が設けられている屋敷は少なくないが、警護する側からすればはた迷惑な話だ。
301: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:22:18.68 ID:J8WJ1/+kO
――真九郎の視界の外から飛んでくる、鋭い蹴り。
それは紛れもなく、目の前の女性が繰り出した蹴りであった。
一撃必殺を思わせる速度と鋭さ。
撓るように放たれた脚は、しかし、真九郎のこめかみの手前で、ピタリとその動きを止めた。
302: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:22:46.28 ID:J8WJ1/+kO
威嚇か、それとも度胸試しかはわからないが、そう判断したからこそ、真九郎は一歩も動かなかったのだ。
「まあいいわ。…………報告を」
「はい。星?絶奈、斬島切彦、ともに異常なし。引き続き、こちらで監視します」
303: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:23:26.08 ID:J8WJ1/+kO
裏十三家の一つである《円堂》。
彼らは裏十三家の中で唯一、表の勢力と融和した一族であり、警察機構などともコネクションがある。
この国を守るためならばテロリストによる虐殺すら見逃すほどであるその性質は『完全保守』。
一年前の事件から、真九郎は当時、《星?》と《斬島》の当主であった絶奈と切彦の監視役――とは名ばかりで現在は保護者となり果てている――を買って出た。
そのとき、師である柔沢紅香を通して《円堂》は真九郎に条件を提示してきた。
304: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/10/14(金) 22:24:03.58 ID:J8WJ1/+kO
その挑発に対して少女は応えず、逆に挑発めいた言葉を返してきた。
《星?》家は、《悪宇商会》という人材派遣会社の設立に深く関わった一族だ。
人材派遣といえば聞こえはいいが、その実、ボディガードから誘拐・暗殺までなんでも請け負う、裏社会の住人が蠢く巣窟。
真九郎も、かつては《星?》の当主であり、《悪宇商会》最高顧問であった星?絶奈と対立し、殺し合った関係である。
およそ同じ人間とは思えない肉体と思想、倫理。
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