258: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:16:31.75 ID:FMHwTD6FO
光は雪姫の視線を真正面から受け止め、見つめ返している。
また暫くそうして、やがて雪姫は、ふうん、と言ってフォークを残っていたケーキに突き刺し、一口で平らげた。
「わかったわかった。そういうことならしょうがないよね。今日は帰りますよ」
259: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:16:59.95 ID:FMHwTD6FO
雪姫が駅の中に消えていくのを確認すると、ジュウは光を振り返る。
光は何故かジュウに背を向けて俯いていた。
「おい、大丈夫か?」
260: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:17:25.82 ID:FMHwTD6FO
そういえば、今まで光と会うときは制服姿ばかりであり、私服をまともに見るのは初めてかもしれない。
もともとこういう服も着るのだろうか、いや、これから行くのも服屋だというし、もしかしたら最近目覚めたのかもしれない。
ジロジロと見過ぎたのか、光が訝しげな視線を送ってくる。
「……なにジロジロ見てんのよ」
261: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:17:51.46 ID:FMHwTD6FO
光の方を見ると、姿見越しに目が合った。
謂われのない罵倒なうえ、場所が場所なのでジュウは反論せざるを得ない。
「何がだ。というか、こういう場所でそういうことを言うのはやめろ」
262: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:18:17.75 ID:FMHwTD6FO
「光、例の奴は来てるか?」
「え?」
「だから、お前に付き纏ってる同級生のことだよ。見る限りではいないみたいだけど」
263: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:19:32.26 ID:FMHwTD6FO
一周してジュウが元の店に戻ってくると、光の姿が見えなくなっていた。。
他の店に移ったかと近くの2、3店舗を見てみるが、そこにもいない。
それほど時間は経っていないはずだが、どこに行ったのだろうか。
電話を掛けてみようかとも思ったが、そもそも連絡先を知らない。
どうしようかと思案していると、店員がジュウに近寄ってきた。
264: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:19:59.30 ID:FMHwTD6FO
この駅ビルは若い女性にも人気の場所であり、それだけに誰に遭遇するかわからない。
自分は女の知り合いなど限られているが、光は友達も多いだろうし、学校でまたぞろ変な噂が立っては面倒だ。
しかし光はそんなジュウの心中を知ってか知らずか、カーテンの向こうからなかなか出てこない。
「ま、待ってるって……! あああんた、本気で言ってんの!?」
265: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:20:47.12 ID:FMHwTD6FO
「…………」
「…………」
266: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:22:08.35 ID:FMHwTD6FO
大変遅くなってまことに申し訳無い。
今回はここまでです。
267:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 20:38:09.10 ID:JTx11mw3o
乙です
268:名無しNIPPER[sage]
2016/05/10(火) 22:09:39.16 ID:PSth5lBdO
乙!キュンキュン来るぜ
507Res/213.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20