264: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:19:59.30 ID:FMHwTD6FO
この駅ビルは若い女性にも人気の場所であり、それだけに誰に遭遇するかわからない。
自分は女の知り合いなど限られているが、光は友達も多いだろうし、学校でまたぞろ変な噂が立っては面倒だ。
しかし光はそんなジュウの心中を知ってか知らずか、カーテンの向こうからなかなか出てこない。
「ま、待ってるって……! あああんた、本気で言ってんの!?」
「本気も何も、俺一人で帰るわけには行かないだろうが」
なにかおかしなことを言っただろうか?
さっさと試着を済ませて、早く帰りたい旨を伝えただけなのだが。
何故かさっきの店員が少し離れたところから微笑ましいものを見るような表情をしているし、かなり居心地が悪くなってきた。
「おい、まだか?」
「ちょ、ちょっと待ってよ! すー……はー……。……あ、開ける、わよ」
カーテン越しに急かすと、光は一度大きく深呼吸をして、カーテンを勢いよく引いた。
そこには、柔らかそうな生地のフレアスカートに、厚手のタートルネックを着て佇む光がいた。
両手を胸の前で握りしめ、顔を真っ赤にして俯いている。
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