259: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:16:59.95 ID:FMHwTD6FO
雪姫が駅の中に消えていくのを確認すると、ジュウは光を振り返る。
光は何故かジュウに背を向けて俯いていた。
「おい、大丈夫か?」
「…………ダイジョウブ」
ロボットのようにカタコトな返事をする光。
ジュウは不思議に思ったが、せっかく返事をしてくれるまで機嫌を直した光に下手なことを言ってまた怒らせては堪らない、と追求するのをやめた。
自分に背中を向けたままの光に問いかける。
「随分時間を喰われちまったが、今日はどこに行くんだ?」
光はハッとしたように顔を上げると、ちょっと待って、と言ってポケットから紙切れを取り出す。
背中越しなので詳細は見えないが、どうやら何かのメモのようだ。
「え、えっと、まずはその……服を見に、行きたいん、だけど……」
「わかった。そこの駅ビルとかか?」
「う、うん」
光は緊張した面持ちでジュウを振り返り、目的地に向かって歩き出した。
ジュウも少し離れてその横を歩く。
歩きながら光の様子を観察すると、今日は普段よりも可愛らしい格好をしていることに気がついた。
初めて遭遇したときはジャージにタンクトップという少年のような出で立ちだったのが、タイツの上にキュロットスカート、足にはショートブーツ、明るい色のダッフルコートを羽織っており、見違えるようだった。
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