261: ◆yyODYISLaQDh[saga]
2016/05/10(火) 20:17:51.46 ID:FMHwTD6FO
光の方を見ると、姿見越しに目が合った。
謂われのない罵倒なうえ、場所が場所なのでジュウは反論せざるを得ない。
「何がだ。というか、こういう場所でそういうことを言うのはやめろ」
「どうせ、雪姫さんのこと考えてたんでしょ」
どうしてこう、女というのは勘が鋭いのか。
ジュウが一瞬息を詰めたのを見逃さず、光は言葉を重ねる。
「お姉ちゃんや雪姫さんだけじゃなく、いろんな女の子を引っ掛けて歩いてるんでしょ、どうせ」
「言いがかりだ」
「どうだか」
ふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまう光。
女というのは本当に厄介だ。
やたらと勘が鋭い上に、突然怒るし、その理由もわからない。
ただ謝っただけでは許してはくれないし、かと思えばいつの間にか機嫌が直っていたりする。
こんな生き物と人生の苦楽を伴にするなど、考えるだけで辟易しそうだ。
そもそも、そんな不機嫌になるほどに嫌いな相手である自分をなぜ彼氏役などに指名するのか。
そこまで考えて、ジュウはふとあたりを見回した。
視界に入るのは女性ばかりで、たまに男もいるが、大抵は女連れ。
一人でいる男もいるにはいるが、どれも中学生には見えない風貌をしている。
507Res/213.24 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20