千奈美「ようせいさんとおねえさん」
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560: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:52:07.26 ID:Hnrzybny0
差し出されたその白い左手を見つめたまま、仕方なしに腰を上げ、手を伸ばす。瞬く間に指を絡め取られて、強く握られる。


「……志保」

以下略 AAS



561: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:54:28.13 ID:Hnrzybny0
「でも、笑いますよ。私。……チャンスだもん、飛び込まなきゃ」


ほんの少し上擦った声。
……演技指導のレッスンで、こんなのやった気がする。不安なとき、緊張するとき、プレッシャーを感じているとき。
以下略 AAS



562: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:55:52.98 ID:Hnrzybny0
「……?」

「あれが、私たちのはじまりなんだよ」

「……はじま……あ、ッ、え!?」
以下略 AAS



563: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:56:33.46 ID:Hnrzybny0

何とか紡いだ言葉。志保は変わらずアタシを正面から見つめる。やっぱりくりっとしてて大きな目だ。
……アタシがここで目を反らしたら、それはまあ、何というか。裏切ることになる、気がするから。見詰め返す。


以下略 AAS



564: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:58:45.48 ID:Hnrzybny0
――――

小松伊吹、趣味は恋愛映画鑑賞です。現在、ユニットメンバーとの合流のタイミングを失って、パーティションの陰から様子を伺っています。


以下略 AAS



565: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:02:43.02 ID:Hnrzybny0

「余裕よ、余裕。……礼子さんたちと一緒にオープニング出られるから、かえって自分の中でのスタート切り易いのかもね」


そうなのだ。事務所単独主催のライブなら、オープニングナンバーはその事務所の所属メンバーだけ、というのが通例(というかファン心理的にはそれが筋だよね)のところ、今回は千奈美も参加する。
以下略 AAS



566: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:03:20.92 ID:Hnrzybny0
――――

『真奈美。直前でごめんねー。ちょっと頼みあるんだけど。全体の香盤表持ってる?』

「そりゃまあ、三人出してますから持ってますよ」
以下略 AAS



567: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:06:52.10 ID:Hnrzybny0
人遣いの荒いことだ。数年前を思い出す。礼子さんと二人であっちへ行ってこっちへ行って、言われるまま仕事をこなす。


「アヤ、志保、伊吹。入るよ」

以下略 AAS



568: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:11:42.16 ID:Hnrzybny0
――――

「あれ、木場さん。どしたの?」


以下略 AAS



569: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:12:47.39 ID:Hnrzybny0

「ふむ」


そして、そんな大人ならではの悪戯心が首をもたげる。みくが手に持ったままの猫耳カチューシャを拝借する。
以下略 AAS



570: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:17:19.91 ID:Hnrzybny0
会場内モニターに目を運ぶ。追って、二人の声が止む。視線がモニターに注がれたのだろう。
ライトが揺れる客席の照明が落ちて、歓声が上がる。


『本日は、スペシャルライブ“ジューシーホーリーナイトパーティ”にお越しいただき、誠にありがとうございます。
以下略 AAS



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