569: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:12:47.39 ID:Hnrzybny0
「ふむ」
そして、そんな大人ならではの悪戯心が首をもたげる。みくが手に持ったままの猫耳カチューシャを拝借する。
「何、大人らしく役目を果たしているだけなのにゃあ」
にゃあ。にゃあにゃあ。みくがステージ上でよくやる、ねこぱんちのポーズ。
「礼は要らないさ、仕事なのだにゃあ」
顔の前で猫の手を作って構えて見せる。意外と楽しいな。
あっけにとられた二人のうち、みくがハッと我に返って、私の頭からカチューシャを取り去り、自分の頭に付け直す。
「……ハラショー! キバさん、それ、とても、楽しいです!」
「そ、それ絶対ステージの上でやらないでよ!? みくたちの面目丸つぶれにゃあ!」
「アー… メンモク? ですか?」
「ふふ、そうだな。隠し芸にしておくよ」
「ホントにやめてにゃ!!? いくら木場さんでも……」
釘を刺してくるみくを尻目に、タイムキーパースタッフの声が飛ぶ。
『開演5分前、注意事項アナウンス入りまーす』
「……始まるよ」
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