568: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 01:11:42.16 ID:Hnrzybny0
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「あれ、木場さん。どしたの?」
三人を激励してから第三控室に入った私のあいさつに、みくはきょとんとした表情を返す。そしてもう一人。
「ドーブラエ ウートラ。お疲れ様、です。おひさしぶり、ですね。キバさん」
「高峯さんが衣装トラブルで、オープニング終わるまでこっちに来られないそうだから、代理でね」
落ち着いた声で挨拶を返したアナスタシアは、みくと共にウォームアップを終えたのか、
ほんのりと頬に赤みを挿していて、上手く緊張感と折り合いをつけているように見える。
「ルームスタッフさんから聴いたし、用事も聞いてもらえるから大丈夫ですよ。でも、わざわざありがと」
予備のパイプ椅子を広げて、みくの近くに席を定める。
「何か手伝うことがあれば、と思っていたけど心配要らないかな。しかし、トラブルね」
「スカートのファスナーが噛んじゃったんだって。……私たちと出るときに一回着替えるから、その間に何とかするんじゃないかな」
「そこまで聞いてたのか。参ったな、私が特にすることなんてないじゃないか」
「アー…… 大人のひとが、いると。……ウスポカイヴァツシャ、落ち着き、ますね」
「……そう、だよ。だから、木場さん。ありがとう」
苦笑いする私に、アナスタシアが、文字通り言葉を選んで呟くと、みくは頷いて同意を示した。
そうだな、君たちは少女で、私は大人だ。
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