563: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:56:33.46 ID:Hnrzybny0
何とか紡いだ言葉。志保は変わらずアタシを正面から見つめる。やっぱりくりっとしてて大きな目だ。
……アタシがここで目を反らしたら、それはまあ、何というか。裏切ることになる、気がするから。見詰め返す。
「……今言う、ことば、なんだよ」
そう言った志保の顔は、真っ赤で。だから、アタシたちは同じなんだろう。
「だから!」
……聴こえないフリ、忘れたフリしたいけど。真正面から言われた後にそれはないよな。
緊張とか不安とか全部吹き飛ばすために、自爆覚悟かよ。
「アヤちゃんも! 言え!!」
「……えぇ……」
「……言って、ください。私、ちゃんと笑いたいから」
ああ。大舞台も何もあったもんじゃない。これより恥ずかしい、緊張することなんて、そうはないよ。
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