562: ◆S0mvz1PntgQY[sage saga]
2016/08/16(火) 00:55:52.98 ID:Hnrzybny0
「……?」
「あれが、私たちのはじまりなんだよ」
「……はじま……あ、ッ、え!?」
ああ。思い当たるセリフがある。
何考えてるんだ。ばーーーーっ、と耳の奥で音がした。血液が身体を走り回った音。
もうダメだ。体温が上がったのを自覚する。特に顔がひどい。
「『私、アヤちゃんがキラキラしてるところを見たいよ』」
「そ」
胸の奥が熱くなる。詰まって、言葉が上手く出てこない。口の中が渇いてる。
「ぅ……水、飲ませて」
どうにか一言だけ捻り出して、水のボトルを手にする。
「……うん」
中身を半口ほど含んで、こくりと喉を鳴らして嚥下する。
からだのまんなかに滑り落ちていくぬるい水が、体温を少しだけ吸収してくれる。
たっぷり深呼吸する。もどかしくてはずかしくて、ドキドキしている。……ちょっとだけな。
「……そ、れを今言、う……?」
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